JRA皐月賞(G1)「今年0勝」勝浦正樹初勝利はニシノデイジー? 馬主やファンの「血の歴史」体現
本サイトでは弥生賞直前に「ニシノ」「セイウン」軍団の総帥・西山茂行オーナーに直撃取材を行った。「最近はこれだけの実績馬だと、超一流の騎手に乗り替わるケースも多い」という質問に、西山オーナーは「巡り合わせでニシノデイジーは勝浦だったということ」「調教師や騎手、助手とか厩務員とか、そういう『人と人とのつながり』が楽しみで長いこと馬主をやってるわけですから。今回の弥生賞、そして皐月賞も『勝浦で行こう』って決めています」と答えてくれた。
弥生賞にあたっては勝浦騎手に「ここで勝って男になってやれ!」と激励したという。この皐月賞でもその思いは同じだろう。勝浦騎手は弥生賞後も未勝利のまま。しかし、騎手変更は発表されていない。これまでの経験を生かしてニシノデイジーの全力を出し切るレースをしてくれるはずだ。
ニシノデイジーは”西山ブランド”の結晶でもある。祖母ニシノミライの父セイウンスカイは皐月賞と菊花賞を勝った2冠馬、母ニシノフラワーは桜花賞(G1、芝1600メートル)を含め3つのG1を優勝した快速の名牝。種牡馬としてのセイウンスカイに限界を感じた西山オーナーが、セイウンスカイの血を残すために取った作戦がニシノフラワーとの配合で牝馬を出すこと。それがニシノミライだった。
「『(ニシノミライを)セイウンスカイの血を繋ぐんだ』という思いで、早めに引退させて繁殖に上げました」「その流れがニシノデイジーでやっと花開いてくれた」と語り、「ニシノデイジーが走ることで、セイウンスカイのファンの方も『とにかくうれしい』と言って下さる」とも言う。競馬はオーナー、生産者にとってもファンにとってもまさに血の歴史なのだ。