武豊・騎乗停止はJRA「売上204億円」の犠牲者!? 安田記念(G1)後、非難轟々も「騎乗停止は重過ぎる」の声
「スタート直後に馬が左右にヨレてしまうことは、決して珍しいことではありません。ただ今回の場合、まずロジクライが抜群のスタートで他馬よりも1馬身近く飛び出したこと、そして不利を受けた馬の中に圧倒的な人気を背負っていたアーモンドアイやダノンプレミアムがいたことなど、武豊騎手を始めロジクライの関係者にとって不幸なことが重なりました。
ただ安田記念はG1ですし、今年の売り上げは合計204億5607万6700円。オッズ的にも、その大部分がアーモンドアイやダノンプレミアムが絡んでいた馬券だったと思います。結果的にアーモンドアイこそ3着になりましたが当然納得いかないファンは大勢いたでしょうし、レース直後には武豊騎手に対する非難の声も多く聞かれました。
それらの事象を受け、武豊騎手は今週の土曜日のみの騎乗停止になりましたが、主に馬が原因によるアクシデントだっただけに、関係者の中には『事象そのものだけを見れば、騎乗停止は重過ぎるのでは』という意見もありました」(競馬記者)
実際にJRAの公式ホームページによる「決裁レポート」では、今回の事象に関して「16番ロジクライが内側に逃避したことが主因である」と記載されている。ロジクライ陣営には発走調教再審査が下されているが、その上で武豊騎手に騎乗停止処分が下ったのは、やはりG1におけるアクシデントだったことが大きいようだ。
「騎乗停止処分は基本的に2日単位で下されることが多いが、1日だけというのは稀なケース。正直、個人的には騎乗停止になるほどの事象ではなかったと思います。
ですが今回は大きな注目が集まるG1、それも1番人気馬と2番人気馬が巻き込まれたことが大きかった(馬券圏内の結果に直結する可能性が高かった)のではないかと。大勢のファンの心情を忖度した結果という見方もありますし、JRAとしても難しい判断だったと思います」(別の記者)
レースから3日、今なお関係者や競馬ファンから様々な意見が聞かれる中「今週、土曜日の騎乗停止を重く受け止めています」と心境を綴った武豊騎手。日曜日に東京競馬場で開催されるエプソムC(G3)には、復活を目指すソウルスターリングで参戦するが「もっともっと走っていい馬」と期待を寄せている。
4000勝を超える勝ち星と引き換えに、競馬の酸いも甘いも噛み分けてきた競馬界のレジェンド。今回は不幸なアクシデントが重なってしまったが「それでも、常に前を向くのがボクらの仕事です」と気持ちを新たに次のレースへ挑む。