【宝塚記念(G1)展望】JRA「違反薬物」で出走馬減少も? 波乱の上半期頂上決戦に
6月23日、春のG1レース最終戦、宝塚記念(G1、芝2200メートル)が行われる。今年はG1馬6頭が参戦、楽しみなメンバーになった。レースを展望する。ただし、JRAに蔓延する薬物問題の影響で出走取消となる可能性も。
レイデオロ(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が春のグランプリに初参加する。昨年は3月のドバイシーマクラシック(G1、芝2400メートル)で4着。その後、疲れが抜けなかったため秋まで休養し、オールカマー(G2、芝2200メートル)と天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)を連勝した。今年のドバイシーマクラシックも6着と惨敗。よっぽどドバイの環境、あるいはナイター競馬が合わないのだろう。
1週前追い切りに騎乗したC.ルメール騎手は「折り合い、フットワークとも完璧」と自信満々。遠征帰りの影響がなければ当然の本命候補だ。G1勝ちは府中の日本ダービー(G1、芝2400メートル)と天皇賞・秋の2つだが、昨年の有馬記念(G1、芝2500メートル)ではブラストワンピースの際どい2着だったように、阪神内回りコースにも対応できるはず。今年こそ正真正銘の王座に君臨したい。
一昨年の菊花賞以来のG1制覇を目指すのがキセキ(牡5歳、栗東・角居勝彦厩舎)。昨年のジャパンC(G1、芝2400メートル)で見せた果敢な逃げは素晴らしかった。アーモンドアイの末脚に屈したものの、3着のスワーヴリチャードには3馬身半という決定的な差をつけた。
大阪杯(G1、芝2000メートル)で2着に敗れたのは、エポカドーロのスローな逃げの2番手だったのが敗因だろう。ラストでは器用さを問われるレースにもなってしまった。伸びやかな走りを披露した1週前追い切り後、角居勝彦厩舎の辻野泰之調教助手は「行く馬がいなければ、この馬のリズムで逃げてもいいかな」とコメント。思い切った逃げを打ってくれるだろう。