JRA宝塚記念(G1)キセキ「またまた2着」川田将雅「勝ち馬が強かった」 現役最強「逃げ馬」が苦しむほど際立つキタサンブラックの偉大さ
「自分の競馬はできていると思います」
これぞ逃げ馬の宿命か。23日に行われた宝塚記念(G1)で、一昨年の菊花賞以来のG1制覇を狙ったキセキ(牡5歳、栗東・角居勝彦厩舎)は、最後の直線入り口でリスグラシューに交わされて、またも2着……大阪杯(G1)に続く銀メダルに終わった。
スタートこそ良くなかったが幸い逃げたいライバルがおらず、押し出されるようにハナへ。1000m通過は60秒ちょうど。同日同舞台の500万下が60.3秒だったことからも、逃げ馬にとっては理想的なペースに持ち込めた。
その結果、人気を分け合ったレイデオロら差し馬勢は完封。「自分の競馬はできた」という主戦・川田将雅騎手の言葉通り、描いた絵は限りなく完璧に近かったはずだ。
ただ、川田騎手にとって計算外だったのは、やはりリスグラシューに早めの競馬をされたことだろう。無論「勝ち馬が強かったですね」という通り、この日のリスグラシューのレースぶりは称賛に値する。
だが、キセキがいい目標にされた感は否めない。
「3着のスワーヴリチャードに2馬身をつけていますし、間違いなく強い競馬でした。『負けてなお強し』というのが、多くの人の感想だと思います。ただ、やはり人気の逃げ馬が、そのまま逃げ勝つ難しさを改めて実感させられたレースでした。
現役指折りの実力を秘めているキセキですが、その分『信頼できる逃げ馬』としてライバルの目標にされる面は否めませんね。なかなか勝ち切れない現状には、マークされやすい脚質というのもあると思います」(競馬記者)