JRA「ノーザン次第」若手騎手突如勝利激減の実情……「影の王」を避けるために新潟滞在?
競馬界の「影の王様」といわれるノーザンファーム。今春は大阪杯のアルアイン、天皇賞・春のフィエールマン、ヴィクトリアMのノームコア、安田記念のインディチャンプ、そして宝塚記念のリスグラシュー。さらに桜花賞馬グランアレグリア、皐月賞馬サートゥルナーリア、オークスを制したラヴズオンリーユーと、ノーザンファーム生産馬がG1をほぼ制圧した。
そして日本ダービーを制したロジャーバローズ、2着のダノンキングリーはノーザンファーム生産馬ではないものの、ノーザンファームが誇る優れた外厩施設で育成、調整された馬。実質、今春のG1競走はノーザンファームに占領されていたようなものだった。
また重賞だけではなく平場でもノーザンファームの馬が上位に進出することは多く、騎手たちはノーザンファームの馬に乗れるか否かで、その成績が大きく左右されることになる。そのため、多くの騎手たちはよく外厩施設に足を運んで営業活動を行い、関係づくりに励んでいるという。
「これまで毎週火曜日にはトレセンに多くの騎手が集まっていましたが、今はノーザンファームしがらきや天栄、山元トレセン、大山ヒルズなどの外厩施設に出向くことが多くなっています。これは『ノーザンファーム巡礼』と呼ばれ、そこで稽古の手伝いなどをして顔を売れば、重賞級は難しいものの、未勝利や500万下のレースでノーザンファーム産の馬に騎乗することもできるみたいですね。藤田菜七子騎手や北村友一騎手など、この巡礼を行い、騎乗馬の質をあげて、成績が向上した騎手も多いです」(競馬誌ライター)
ノーザンファームの覚えがいいか否かは、一部の騎手にとっての生命線となりつつあるようだ。だが、もちろんすべての騎手がその恩恵に預かれるわけではない。さらに、以前は距離が近かったものの、お役御免とばかりにその地位を追われた騎手もいる。