JRA勝浦正樹「クビ」セントライト記念(G2)ニシノデイジー大外ぶん回しで……リオンリオン横山典弘「外に出す気は全くなかった」と明暗くっきり

 

 16日に中山競馬場で行われたセントライト記念(G2)は、好位から抜け出した1番人気のリオンリオン(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)が2馬身差の完勝。最後のクラシック菊花賞(G1)へ向け、大きな一歩を踏み出した。

 誰もが無謀に見えた大逃げから日本レコードで押し切って、ファンをアッと言わせた京成杯オータムH(G3)から1週間。今週も、大ベテラン横山典弘騎手の手綱さばきが冴え渡った。

 18頭立て芝2200mのレースで、好スタートを決めたリオンリオンは、逃げたい馬を行かせる形で好位のインへ。そのままじっくりと脚を溜めると、最後の直線ではあっさりと抜け出し、後続を寄せ付けずに完勝。

 横山典騎手は、騎乗停止で乗れなかった日本ダービー(G1)の鬱憤を晴らすような見事な騎乗だった。

「先週の京成杯(AH)は横典騎手らしい破天荒な騎乗でしたが、打って変わって今週は、誰もが真似したくなるようなセオリー通りの完璧な騎乗。この日は、次の菊花賞を見据えて久々の好位からの競馬でしたが、ジョッキーも『久々に抑える形だったから馬が唸っていた』と苦笑い。それでもきっちりと折り合って結果を残してしまう辺りは、さすがという他ないです。

また、この日は朝から雨が降っていた難しい馬場コンディションでしたが『外に出す気は全くなかった。内から随分と乾いていたから』とのこと。結果的に2着サトノルークスやザダルも内々から伸びて来ましたし、“馬場読み”も完璧だったということでしょう。長距離の横典騎手は定評がありますし、今から菊花賞が楽しみなコンビですよ」(競馬記者)

 この内容にはリオンリオンを管理する松永幹夫調教師も「ジョッキーが上手く乗ってくれました」と横山典騎手を絶賛。本番を見据えた好位からの競馬にも、収穫があったようで「こういう競馬もできましたし、次(菊花賞)の3000mも持ってほしい」と、絶好調のベテランの手腕に託す構えだ。

 一方、このレース直後、無念の乗り替わりを告げられた騎手がいる。2番人気のニシノデイジー(牡3歳、美浦・高木登厩舎)に騎乗し、5着に敗れた勝浦正樹騎手だ。西山茂行オーナーが自らのブログを通じて、乗り替わりの決断に至った心境を綴っている。

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