「普通に走れば、なんとかなる」新設重賞の紫苑S(G3)は『新重賞ハンター』にお任せ!?ヴィルシーナの全妹が秘めたる素質を開花させる!
残念ながら未だ500万下を勝ったばかりと、ここまではクラシック全戦2着だった全姉と大きく水をあけられている。だが、前走はその血に宿る力が開花したかのような、圧巻のパフォーマンスだった。
牝馬限定戦ながら、初の古馬との対戦となった7月24日の500万下(中京2000m)。3月のフラワーC(G3)12着大敗から休養を経たヴィブロスは、まるで別馬のような走りを披露した。中団から第2位より0.5秒も速い、段違いの上がり3ハロン34.4秒の脚で4馬身差の圧勝。この時期の急激な成長力は、条件馬から一気にG1トップクラスまで駆け上がった半兄のシュヴァルグランを彷彿とさせる。
陣営はこの勝利を見て、即座に秋の目標を秋華賞(G1)に”上方修正”。春に大敗を繰り返した重賞挑戦にも「春はまだヒョロヒョロでしたけど、今は中身がもう別馬みたいに変わっていますからね。ココも普通に走れば、なんとかなると思っています」と、とにかく強気。
競馬の基本となる「レース内容」に「血統」が伴い、さらには厩舎が「新設重賞キラー」とくれば、これはもう”鬼に金棒”の状態。陣営が強気になるのも頷けるというものだ。
2012年、全姉のヴィルシーナは最後の一冠をハナ差でまたも2着。わずかな差で涙を飲み、ジェンティルドンナに牝馬三冠を許した。少し気は早いかもしれないが、このヴィブロスにはそんな姉の雪辱を期待してしまうだけのスケールがある。
もう、重賞の壁に阻まれていた春頃の姿ではない。良血馬がその素質を開花させ、まずは”新設重賞3連勝”を達成する。