【徹底考察】ローズS(G2) シンハライト「2つの弱点を克服し『万全の態勢』も、ここは敗戦が吉!? 例年のオークス馬が繰り返す『独特』の傾向とは」
7日の1週前追い切りでは栗東の坂路で4F53.5秒、ラスト12.7秒。併せ馬にも先着し、軽快な動きを見せていた。騎乗した池添騎手も「相変わらずいい走りをするし、順調なのが一番。オークス馬だし、内容はあって当たり前。結果を出したい」とトライアルでも”勝ち”を意識して勝負すると断言している。
さらに9日には、唯一の懸念材料のスタートを確かめるためにゲート練習へ。あっさりとクリアし、精神的にも成長した姿を披露している。
そして14日の最終追い切りでは、先週と同じく栗東の坂路で行ない4Fを54.7秒、ラスト12.2秒で1馬身先着した。全体的な時計は1週前よりも遅かったが、池添騎手が「最後まで集中して走れていた」と話した通り、ラストまでしっかりと脚を伸ばせたことが収穫。
実際に桜花賞ではメジャーエンブレムが早めに脱落したため、最後は1頭になって集中力を欠いてしまった。その代償が、わずか2cmジュエラーに屈したハナ差負けである。そういった意味でも、意義のある最終追い切りだった。
【血統診断】
全兄にラジオNIKKEI杯を勝ったアダムスピーク、半姉にローズSで3着、チューリップ賞でも3着など牝馬クラシック戦線で活躍したリラヴァティ(父ゼンノロブロイ)がいる。全兄アダムスピークは弥生賞で1番人気に推されたが8着に惨敗。その後も皐月賞(G1)で最下位など、目立った成績を上げられなかった。
ただ、それで早熟血統と決めつけるのは早計だ。アダムスピークの皐月賞の敗因は鼻出血であり、その後も屈腱炎の影響により本来の能力を出し切れていない可能性が高い。実際に半姉のリラヴァティは、古馬になってからも福島牝馬Sで2着するなど衰えはなかった。
従って、この血統に関しては3歳の春頃からピークを迎えて、そのまま持続するという考え方が妥当か。2400mのオークスから600mの距離短縮となるが、むしろこれくらいの距離の方がスタミナの心配がない分、思い切って走れそうだ。