【徹底考察】セントライト記念(G2) ディーマジェスティ「世代唯一の『二冠』が狙える皐月賞馬。ここは通過点もデータが示す『勝率』は意外にも……」
『考察』
史上最強世代の皐月賞馬が、いよいよ秋の始動を迎える。
ダービー馬マカヒキがフランス遠征を敢行しているため、「二冠」の権利があるのは唯一、このディーマジェスティだけ。秋初戦となるセントライト記念(G2)は、春にしのぎを削り合った『BIG5』が不在のため、断トツの「1強」ムードで迎えることになる。
ちなみにグレード制導入以降、春の2冠馬も含めて皐月賞馬がセントライト記念に出走した回数は、実は4度しかなく[2.0.0.2]。シンボリルドルフとイスラボニータが1着、イシノサンデーが4着、ミホシンザンは5着に敗退している。ただし、イシノサンデーが重馬場で、ミホシンザンが不良馬場と、道悪の競馬を強いられたところもポイントか。
1番人気出迎えた前走の日本ダービーでは、勝ったマカヒキから0.1秒及ばない3着。上がり3ハロンはメンバー2位タイの33.3秒と、ディーマジェスティも勝ち馬と同じだけの末脚を繰り出したが、直線を向いた時の位置取りがそのままゴールまで響いた格好だった。
言い換えれば、勝つにはマカヒキやサトノダイヤモンドを上回るキレが必要だったということだ。
だが、4着エアスピネルには2馬身の差を付けているように、この馬自身も極めてハイレベルな走りを見せている。ここまでの”シビアさ”が問われるのは、あくまで対『BIG5』と戦う菊花賞(G1)であって、前哨戦のセントライト記念ではない。
8月下旬に帰厩し、今月1日から時計を出し始めているディーマジェスティ。1週前追い切りでは、主戦の蛯名正義騎手を背に美浦のウッドコースで6F81.1秒記録し、今週の最終追い切りでは同コースで3頭併せを行ない6F83.1秒で半馬身遅れた。
時計自体は先週より遅くなったが、レースを意識してより実践的な追い切り。併せ馬に遅れたのも「1週前の時点でいい感じだったから。今日は先週よりも余裕を持たせて、前に並べる程度で」と手綱をとった蛯名正義騎手がコメントしているように、明確な意図があったようだ。
唯一の懸念材料だった蹄に関しても入念なケアが施されて「今ではいい状態になっている」と管理する二ノ宮調教師。来たる最後の一冠に向けて、ここは負けられない戦いになりそうだ。