ジュエラーのローズS(G2)大敗の真相究明「桜花賞馬はもう終わったのか」張り巡らされる「煙幕」秋華賞に向けての「戦い」はすでに始まっている
さらに付け加えるとデムーロ騎手は、最後の直線でシンハライトに後ろからかわされて以降、ほぼ追っていない。間違いなく「次」を見越しての判断であり、11着という大敗はそのためだ。着順は額面通りに受け取らない方が良いだろう。「距離は大丈夫」と述べていたが、これも次の秋華賞に向けた”煙幕”の可能性はあって当然だ。
最後に秋華賞が行なわれる京都の内回りコースは、小回りで坂がない分、マイラーでも十分に通用する舞台だ。
歴史を振り返っても昨年こそオークス馬のミッキークイーンが2冠を達成したが、桜花賞、秋華賞の2冠馬もダイワスカーレット、テイエムオーシャン、ファレノプシスの3頭が該当している。
中でも思い出されるのは、1999年の2歳女王ヤマカツスズランだ。
この馬もまた阪神3歳牝馬S(現・阪神JF)を制しながら、3歳の1月に骨折。長期休養明けのローズSは14着に大敗したが、次の秋華賞で2着に巻き返している。実はその時の鞍上が、シンハライトの主戦である池添謙一騎手だった。
無論、ジュエラーは2着でも足りない存在だ。だが、牝馬ながら500㎏を超える大型馬で叩かれた効果は期待できる。桜花賞馬がこれで「終わった」と思うのは早計なのではないだろうか。
(文=浅井宗次郎)