JRA理事長ジャパンC「外国馬ゼロ」問題を語る。東京競馬場に新・検疫厩舎も「高速馬場」改革には……
問題解決へ、大きく舵を切ることになりそうだ。
昨年、1981年の創設から39回目にして「外国馬の出走ゼロ」となったジャパンC(G1)。日本競馬最大の国際レースとして「存在意義を失った」という厳しい声もあるが、主催するJRAもその事実を重く受け止めているようだ。
「物理的にクリアできるものはクリアしていきたい――」
そう話したのは『週刊ギャロップ』(サンケイスポーツ)で、毎年恒例の年頭インタビューに応じた後藤正幸JRA理事長だ。詳細は本誌をご覧いただきたい。
昨年、外国馬が出走しなかったことを受け、多くのファンから批判の的となったジャパンC。
だが、JRAの生え抜き理事長として、海外の駐在員事務所の所長を歴任した経験を持つ後藤理事長は「これまでの38年間、よく1頭でも2頭でも(海外からの)出走馬を確保できたと思いますよ」と、外国馬の招致の難しさを語っている。
まさに「経験者は語る」だ。だが、日本の競馬ファンからすれば、毎年のように世界各国から強豪が名を連ねるドバイミーティングや香港国際競走を知っているのも事実。それだけに日本を代表する国際レースに外国馬が1頭も来なかったという状況は、何とも言えない寂しさがあったというわけだ。
ただ、見識のすれ違いはあったにせよ、昨年の状況はJRA側も重く受け止めている。その大きな原因の1つに日本特有の検疫の厳しさが挙げられているが、まずは“そこ”にテコ入れを行うようだ。
「現在、外国馬がジャパンCが行われる東京競馬場のレースに出走するには、まず千葉にある競馬学校で検疫を受ける必要があります。そのため、外国馬は日本到着直後から満足な調教が行えず、さらにはレースに向け、再び東京競馬場へ移動しなければならないという問題があります。
そこで、国際検疫厩舎を東京競馬場の中に作る動きがあるようです。もし実現すれば、少なくとも東京の国際レースに出走する外国馬の負担が、大きく下がることが期待できるのではないでしょうか」(競馬記者)