「まだ全体的に緩い」エアスピネルの全弟エアウィンザーの敗戦に落胆する武豊騎手『JRA全G1完全制覇』の夢が「今年がラストチャンス」と言われる理由とは

 25日、クラシックで活躍するエアスピネルの全弟として大きな注目集めていたエアウィンザーがデビューするも、同じく良血馬のムーヴザワールドの強襲に屈して2着。騎乗した武豊騎手は「まだ全体的に緩い。本気で走れない体です。しかし、いいモノは持っています」と若駒を庇ったが、単勝1.3倍での敗戦だけに落胆の色は隠せなかったようだ。

 先日、JRAの騎乗馬で4000勝を達成したレジェンドが気落ちするのも無理はない。育成段階からすでに「兄エアスピネルを超える存在」と評され、自身が手綱をとった追い切りでも、年長馬を相手に抜群の動きに思わず「メッチャいい!」との言葉も。

 もともと、父がディープインパクトと人気を二分するキングカメハメハで、母が秋華賞馬のエアメサイアという超良血馬。全兄の活躍もあって、期待は大きく膨らむばかりだった。

 その中でもファンが期待したのは、エアウィンザーによる武豊騎手の『JRA全G1完全制覇』の偉業だ。

 武豊騎手は現在、最後に12月の2歳牡馬G1となる朝日杯フューチュリティSだけを残しており、昨年はエアウィンザーの兄エアスピネルで挑戦。武豊騎手の大記録達成を願うファンの後押しもあり単勝1.5倍の1番人気に推されたが、最後の最後でリオンディーズの強襲に遭い涙を飲んでいる。

 エアウィンザーには、そんな「兄のリベンジを」という希望も込められており、戦前からハイレベルといわれていた新馬戦を勝利すれば、一気に朝日杯フューチュリティS制覇、そして武豊騎手の『JRA全G1完全制覇』達成の夢にも現実味が増していたところだった。

 しかし、待っていたのは非情な現実。この日は兄のエアスピネルも期待された神戸新聞杯で惨敗し、武豊騎手にとっては散々な1日だったようだ。

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