JRA「アグネスデジタルの再来」!? フェブラリーS(G1)モズアスコットが芝ダート制圧へ!今月引退騎手はサインか!?
23日(日)に東京競馬場でフェブラリーS(G1)が開催される。今年最初のG1レースで注目が集まる。前年王者・インティと人気を2分することが予想されるのが、モズアスコット(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
モズアスコットは18年の安田記念(G1)を、9番人気の低評価を覆して優勝し、マイル路線での主役の1頭となった。しかし、その後はスワンS(G2)での2着が最高着順と、なかなか勝ちきれないレースが続いていた。そこで陣営が下した決断がダート挑戦であった。
初ダート挑戦は、前走の2日に行われた根岸S(G3)。芝G1馬がダートを走るということで注目を集めた。
レースはスタートで出遅れながらも、中団まで押していった。中団で落ち着かせ、そこで控える展開。直線では先行した前年勝ち馬・コパノキッキングの勝ちパターンかと思われたが、モズアスコットが鋭い末脚で差し切り、見事勝利した。出遅れながらの圧勝劇に、G1が舞台の走りに期待がかかる。
臨戦過程の勢いではインティに勝っているのは間違いない。根岸S勝ち馬のフェブラリーSの成績は過去10年で勝率20%、複勝率40%と抜群の相性を誇っている。
血統面では母Indiaはダートが主流の米国産馬。母父ヘネシーの産駒のサンライズバッカスは2007年にフェブラリーSを制している。ダートで好走する血統背景は十分にあり、根岸Sの走りは本物だと裏付けられる。
1週前追い切りでは栗東坂路コースで、4ハロン52.1秒ラスト12.6秒の時計を記録。矢作調教師は「時計は指示通り。状態は上がってきている」と好調をアピール。またフェブラリーSの行われる東京ダート1600mについても「芝スタートもマイルもプラスだと思う」とダートG1制覇に自信をのぞかせている。
モズアスコットは、4月4日にオーストラリアで開催されるドンカスターマイル(G1)にも登録している。フェブラリーSの後は、再度芝レースで海外G1への挑戦が予定されている。
「芝」、「ダート」、「海外」と聞くと、G1・6勝(交流重賞含む)の名馬・アグネスデジタルが思い出される。同馬がフェブラリーSを制したときの鞍上は、今月で引退が発表されている四位洋文騎手である。「平成」のオールラウンドプレイヤーの手綱をとった騎手の引退とともに、そのバトンはモズアスコットに引き継がれるかもしれない。
今回モズアスコットの手綱をとるのはC.ルメール騎手。安田記念を制したコンビで、「平成」、「令和」を股に掛けたオールラウンドプレイヤーの誕生となるだろうか。