京都大賞典はサウンズオブアースの「価値」を決める一戦。 「善戦マン」がベストの舞台で輝くには
祝日の10日に開かれる京都大賞典(G2)。注目は春の天皇賞を制したキタサンブラックや、古豪ラブリーデイに注がれているが、現役屈指の「善戦マン」も、同じく秋初戦を同レースで迎える。
サウンズオブアース(牡5 栗東・藤岡厩舎)は、一昨年の菊花賞や昨年の有馬記念、古馬王道G2などで計7回の「2着経験」があるが、いまだG1どころか重賞勝利もない状況。それでも有馬記念では、今年の日経賞やオールカマーも勝利したグランプリホース・ゴールドアクターに惜敗するなど、現役上位の能力を有することに疑いはない。未だ主な勝ち鞍が「条件戦」という、どこかのステイゴールドのような成績である。
復帰に選んだ京都大賞典は、昨年も2着になったレース。油の乗り切ったラブリーデイには完敗だったが、サウンズオブアースも中団前目から32.8の末脚を繰り出して2着確保という上々の内容。ラブリーデイさえいなければというレースを披露している。京都の舞台では6度の連対を果たしているように、苦手意識はない。淀2400mというのも、中長距離で結果を出してきた同馬にとってベストと言っても大げさではないだろう。
しかし前走の天皇賞・春では、5番人気ながら15着に大敗。菊花賞で2着だったからといって天皇賞・春でも結果が残せるとは当然限らないが、これまで堅実な走りを見せていた同馬としては意外なほどの大敗ではあった。
道中4番手を追走するも、直線を前にして早々と失速。騎乗停止だったM.デムーロ騎手に代わって騎乗した藤岡佑介騎手との相性が悪かった部分や、ネオユニヴァース産駒の天皇賞での成績が振るわないなど要因は多分にある。あれが同馬の実力と見るのは早計だろう。
ただ、基本的には中団前目での競馬をし、直線で抜け出しを狙う正攻法の走りが中心の同馬。だからこそこれまで安定したレースを続けてこれた部分が大きい。だからこそ、天皇賞の大敗が示す意味は大きい。前述のような要因はあるものの、これまで崩れなかったものが崩れた意味は小さくはない。