JRA福永祐一騎手「ポテンシャル高い」大器スペードエースがデビュー2連勝! 春の大レースへ友道康夫調教師が語る「今後の方針」は
「1枠1番」がよく似合う快勝だった。
8日、阪神競馬場で行われたアルメリア賞(1勝クラス)は、3番人気のスペードエース(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。これでデビュー2連勝とクラシックへ向け、大きく名乗りを上げた。
「いいバネをしている」
鞍上の福永祐一騎手がそう語った通り、父ワールドエース、そして祖父ディープインパクトを彷彿とさせる見事な決め手だった。
7頭立てで行われた芝1800mのレース。スタートで後手を踏み、後方からの競馬となったスペードエースだが、最後方のまま迎えた最後の直線で外に持ち出されると、持ち前の末脚が爆発。阪神外回りコースの長い直線を使って、ライバルたちをまとめて差し切ると、最後は2着に3馬身半差をつける楽勝劇だった。
これには福永騎手も「気性が幼い面が調教でも出ていたが、競馬を教えていく過程で連勝できた。高いポテンシャルを持っている」とべた褒め。大舞台を目指す今後に向けて、大きな勝利になったことは間違いないだろう。
「強いレースでした。最後の直線入り口では全馬が団子の状態で追い比べになったんですが、決め手が違いました。まだ小柄で成長の余地は多分にあると思いますが、先々が楽しみな馬ですよ。5月のダービーに前にあってほしい逸材ですね」(競馬記者)
スペードエースは父がワールドエースということでアルメリア賞でも3番人気と、そこまで目立った存在ではなかった。しかし、母系はシュヴァルグランやヴィブロス、ヴィルシーナといったG1馬を送り出したハルーワスウィートと一族。友道厩舎×福永騎手というコンビからもスケールは決して小さくない。
アルメリア賞は、昨年の勝ち馬ランスオブプラーナが毎日杯(G3)を連勝しただけでなく、古馬になって香港のクイーンエリザベス2世C(G1)を勝ったルーラーシップが勝ち馬に名を連ねるなど、クラシックよりも古馬になってから活躍する馬も多い。
「実戦タイプ。この馬場(稍重)でも問題ないですね。(今後は)ワンターンの方がいいかな」
そう今後の方針を語った友道調教師。昨年のランスオブプラーナ同様、早ければワンターンの毎日杯もターゲットの1つだろう。デビュー2戦2勝で注目度が高まるスペードエースだが、先々までその名を覚えておきたい1頭だ。