JRA武豊アイラブテーラーで高松宮記念(G1)急遽参戦! 「ドバイ中止で国内騎乗可能に」兄弟子・河内調教師は初G1制覇かかる
新型コロナウイルスの影響で中止となったドバイ国際競走は、今週開催される春のスプリント王決定戦となる高松宮記念(G1)に大きな影響を与えることになりそうだ。
先日も福永祐一騎手がドバイ遠征をとりやめたことにより、タワーオブロンドンの騎乗が決まったばかりだった。同馬はドバイ遠征する主戦・C.ルメール騎手に替わり、L.ヒューイットソンとのコンビで挑むことが発表されていた。
同じくドバイ国際競走中止により、今週の国内騎乗が可能になったため、武豊騎手はアイラブテーラー(牝4、栗東・河内洋厩舎)で高松宮記念参戦が決まった。同馬は和田竜二騎手が予定されていたが、前走に続き武豊騎手が手綱を取ることとなった。
鞍上交替に関係なくアイラブテーラーの状態は上昇著しい。1週前追い切りは栗東の坂路で強めに追われ、4F50秒9-1F12秒7の好時計をマーク。速いラップを刻みながらもラストまでしっかりと伸びた。
「1週前追い切りの動きは良かったし、ここまでの調整は順調。55キロや左回りは初めてで課題も多いが、この馬の伸びシロはまだ十分あると思っている」と、管理する河内洋調教師も上々のジャッジだ。
また、アイラブテーラーにとっても武豊騎手は父トーセンラーの主戦としてマイルCS(G1)勝利に導いた騎手でもある。そして母父ダンスインザダークも武豊騎手の手綱で菊花賞馬となった。アイラブテーラーの血統を語るには武豊抜きにしては成り立たないといっても過言ではないだろう。
武豊騎手が初めて騎乗したのは、4カ月ぶりの復帰戦となった昨年の桂川S(3勝クラス)だった。16キロ増と成長した馬体で自身初となる上がり33秒台の末脚で、前残りする展開を勝利した。
重賞初挑戦となった京阪杯(G3)ではライトオンキューの2着に敗れたものの、再び上がり3F最速となる33秒6の切れ味を繰り出した。アウィルアウェイ、モズスーパーフレアら重賞勝ち実績のある馬を相手に十分に存在感を見せたといえるだろう。
今年緒戦の淀短距離では、5番手からの積極的な競馬で押し切ったように自在性もあることを証明した。デビューしてここまで【5.2.0.0】と完全連対している成績は、どんな展開でも堅実に走れる安定感に通じるものがある。
武豊騎手自身も高松宮記念は2005年のアドマイヤマックス、07年のスズカフェニックス以来、勝利から遠ざかっている。それだけに兄弟子である河内調教師のG1制覇もかかっているアイラブテーラーとコンビを組む今年は、よりいっそう力が入るのではないか。