JRA毎日杯(G3)「武豊×サトノインプレッサ」続々現れるパートナー候補……レジェンドに訪れた悩める春
28日、土曜阪神のメインレースはG3・毎日杯が行われる。皐月賞トライアルが終了し、東上最終便ともいわれる重賞だ。
皐月賞の出走馬が大方決まりつつあるタイミングの重賞ではあるが、このレースの出走馬からは後のG1で活躍した馬を多数輩出している。
18年の勝ち馬ブラストワンピースは牡馬クラシックでは惜敗したものの、暮れの有馬記念(G1)で古馬の代表格レイデオロを破り、G1初勝利を決めた。また、3着馬インディチャンプは、翌年の安田記念(G1)、マイルCS(G1)を制して春秋マイル王となった。
そして今年も楽しみな馬が出走する。ドバイ国際競走の中止により、今週の国内騎乗が可能となった武豊騎手とコンビを組むサトノインプレッサ(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
同馬はディープインパクト×サプレザという超良血馬。父はいわずとしれた大種牡馬、母はイギリスのG1・サンチャリオットSを3連覇する偉業を達成。11年には日本のマイルCS(G1)にも出走して3着に入った。日本のファンにも馴染みの深い馬である。
サトノインプレッサはデビュー戦、こぶし賞(1勝クラス)と、ここまで川島信二騎手が騎乗して2戦2勝。いずれも前残りするレース展開のなか、前の馬をしっかりと差し切った。
特に秀逸だったのは、2戦目のこぶし賞だろう。このときは致命的な出遅れから、直線でもまだ最後方だったにもかかわらず、大外を回しながらもごぼう抜き。1頭だけ次元の違う勝ちっぷりだった。
また、強調したいのは2走いずれも重馬場だったことである。切れる脚を武器としているディープインパクト産駒だけに、良馬場ならさらに末脚の切れに磨きがかかるのではないか。
これには陣営も「デビューから渋った馬場で連勝していますが、良馬場ならもっと切れると見ています。あとは1ハロンの距離延長がどうかです」とコメントしているように、同馬に対する期待の大きさがうかがえる。
母サプレザが名マイラーであったことは確かだが、いずれも後方から差し切ったサトノインプレッサの2走の内容ならば、それほど問題はなさそうだ。
すでに皐月賞でマイラプソディとコンビが決定している武豊騎手が騎乗することは、目標はNHKマイル(G1)の公算が高いかもしれない。
また、武豊騎手はマイラプソディ、サトノフラッグ、アドマイヤビルゴと多くの有力馬の依頼が舞い込んだ。サトノインプレッサが毎日杯を楽勝するようだと、お手馬候補が続々と現れることになったレジェンドにとって、ますます悩める春となりそうだ。