【G1回顧・南部杯】ライバル寄せ付けずコパノリッキーがスーパーレコードで完勝!ダート王の圧倒的な強さに「名言」の武豊騎手も冷や汗?
「相手が強かった……」
3連覇が懸かっていた2着ベストウォーリアの鞍上・戸崎圭太騎手が、そう白旗を上げるのも無理はなかった。それくらい、この日のコパノリッキーは完璧だった。
10日に船橋競馬場で行なわれた交流重賞の南部杯(G1)。完全復活を果たしてG1を連勝中のコパノリッキーに、3連覇が懸かるベストウォーリア、さらにはG1最多勝利記録を持つホッコータルマエなど豪華メンバーが集結。G1が目白押しとなる秋のダート戦線を占う意味でも、非常に重要な一戦だった。
約1時間前に京都大賞典(G2)を優勝したキタサンブラックと同じヤナガワ牧場出身のコパノリッキーは、これまたキタサンブラックと同じ単勝1.8倍の1番人気。だが、鞍上は主戦の武豊騎手ではなく、田辺裕信騎手が務めた。
これまで我々の常識を幾度となく超えてきた天才武豊も、さすがに1時間で京都から船橋競馬場のある千葉まで移動することはできなかったようだ。
レースは序盤から激しい流れ。数百メートルも進まない内に馬群が縦長になり、ついていけない馬がちぎれていく。前も相当速く、大方の予想を覆してハナを奪ったのは北海道所属のロイヤルクレストだった。2番手にホッコータルマエ、コパノリッキーは3番手からの競馬となる。
まるでコパノリッキーに「楽なレースはさせん」と言わんばかりのハイペース。残り600mに差し掛かると早くもロイヤルクレストが脱落し、ホッコータルマエが先頭に立つ。
だが、ハイペースにも楽に対応しているコパノリッキーの手応えは抜群だった。後ろからマークしていたベストウォーリアが並び掛けようとするが、まったく手応えが違うため並ぶことさえできない。