JRA桜花賞(G1)マジックキャッスル母は「12年前」桜の舞台で3着、近10年4勝「馬券になる」関東馬の見分け方

 12日(日)、阪神競馬場で桜花賞(G1)が開催される。アーモンドアイとアパパネという2頭の3冠牝馬を育てた名伯楽が送り込むマジックキャッスル(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)に注目だ。

 4戦1勝、2着3回の戦歴からわかる通り、よく言えば堅実、悪く言えば勝ちきれないタイプの馬といえるだろう。マジックキャッスルはあくまでも2~3着候補の“押さえ”と評価するファンも少なくないはずだ。

 今年の桜花賞は例年に比べると関東の実力馬が多い。シンザン記念勝利のサンクテュエール、チューリップ賞勝利のマルターズディオサ、そしてマジックキャッスルもその1頭である。

 関東馬は過去10年で「4-1-3-57」。勝率6.2%は、関西馬の5.3%を上回る。8頭が馬券に絡んでいるが、共通するのが「関西(京都・阪神)遠征の経験」と「そのレースで3着以内」という点である。

 マジックキャッスルは、2走前のファンタジーS(G3)で京都に遠征し、2着に好走。サンクテュエール、マルターズディオサとともに、桜花賞で馬券に絡む“資格”を持っている。

「今年の3歳牝馬は関東勢のレベルが非常に高いです。しかし、3歳、特に牝馬にとって長距離輸送は目に見えない負担が相当かかります。過去に克服しているかどうかは、とても重要なファクターになるでしょう」(競馬誌ライター)

 その言葉通り、関西遠征未経験の関東馬は過去10年「0-0-0-24」と大苦戦。マジックキャッスルにとってファンタジーSの好走は非常に重要だったことになる。

 血統面にも触れておきたい。マジックキャッスルの母ソーマジックは2008年の桜花賞に5番人気で出走。1着レジネッタ(12番人気)、2着エフティマイア(15番人気)に次ぐ3着に好走し、3連単700万円超えという大波乱の一端を担った。

 実は、関西遠征未経験の関東馬が桜花賞で最後に馬券に絡んだのが2008年のソーマジックである。その5番仔マジックキャッスルは関西遠征で好走経験がある分、母以上の結果を残しても驚けない。

 ファンタジーSのレース内容も秀逸だった。ハイペースで流れるなか、マジックキャッスルは中団後方に待機。直線で外に持ち出すと、上がり3F最速の末脚を繰り出し、レシステンシアに0秒2差まで詰め寄った。

 当時の鞍上・戸崎圭太騎手は「結果的にもう一列、前だったらと思いますが、いい経験になりました」と位置取り次第で結果が違っていた可能性も示唆していた。

 果たしてマジックキャッスルは12年前の母の雪辱を果たすことはできるだろうか。

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