JRA コントレイル&サリオス「直行組」が皐月賞(G1)上位独占! アドマイヤビルゴら出走権確保も回避馬続出……問われる「トライアルの意義」

 19日、中山競馬場で行われた皐月賞(G1)は、1番人気のコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。2着にはサリオス、3着にガロアクリークが続いた。

 コントレイルにとってホープフルS(G1)以来、3カ月半ぶりの実戦。中間は鳥取県の大山ヒルズで過ごした。馬体重は増えなかったが、トレーナーは「その分中身が詰まっていた。ただ仕上げ過ぎないよう、そこだけ気をつけてきた」と明かす。

 これまでクラシックを目指す素質馬の多くは、いずれかのトライアルを経由して大舞台へ臨むのが通例だった。だが、昨年は、グランアレグリアがトライアルに出走することなく桜花賞馬に輝いた。そして同年、サートゥルナーリアも直行で皐月賞を優勝。1939年に創設されて以来、初めて年明け初戦でクラシック第1戦を制覇した。

 今年もコントレイルが“直行ローテ”で皐月賞を制覇し、また同じく直行したサリオスも2着に入った。競馬界の“ローテーションの常識”が覆され始め、前哨戦の意義が問われる事態となっている。

「サートゥルナーリアなどが現れるまで、直行ローテは無謀と見られることも多かったです。しかし昨今、成功例が複数出てきたこともあり、大きく風向きが変わってきましたね。トライアルを使わないことで後のダービーやオークスに向けて余裕が生まれますし、今後もこのローテを選択する陣営が増えるのではないでしょうか。

 この直行ローテの成功は充実した設備を持つ外厩施設があってのものでしょう。コントレイルが中間を過ごした大山ヒルズの斎藤慎取締役GMは、『スポーツ報知』の取材に対し、『昔とは育成、外厩の施設が違うので、『放牧』という表現はもうふさわしくありません』と明かし、『大山にいてもトレセンと変わらない調教ができます』と胸を張っていました」(競馬誌ライター)

 また今年、直行ではなく、皐月賞のトライアルレースで優先出走権を獲得した馬の結果は以下の通りだ。

 弥生賞ディープインパクト記念(G2)
 1着 サトノフラッグ 5着
 2着 ワーケア 回避
 3着 オーソリティ 回避

 若葉S(L)
 1着 アドマイヤビルゴ 回避
 2着 キメラヴェリテ 17着

 スプリングS(G2)
 1着 ガロアクリーク 3着
 2着 ヴェルトライゼンデ 8着
 3着 サクセッション 回避

 さらに皐月賞と親和性が高いと言われた共同通信杯(G3)の覇者ダーリントンホールは6着、同2着に入ったビターエンダーは14着に終わっている。ガロアクリークが3着と意地を見せたものの、優先出走権を獲得したにもかかわらず、回避を選択した陣営が多いこともトライアルの意義を不鮮明にしている一因かもしれない。

「トライアルを使った王道ローテ」。この言葉が死語になる日は近いか……。

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