かしわ記念(G1)新星アルクトスに復活気配!? 田辺裕信騎手「負けたことを悲観することはない」前走の惨敗を糧に好走を誓う
「この馬は勝ちにいった。負けたことを悲観することはない。また出直したい」
5月5日に船橋競馬場で開催されるかしわ記念に出走予定であるアルクトス(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)の主戦・田辺裕信騎手は、9着に終わった今年2月のフェブラリーS(G1)後、絞り出すようにこう語った。
昨年3連勝でプロキオンS(G3)を制覇。続くマイルチャンピオンシップ南部杯(G1)では好位追走から2着。勝ち馬サンライズノヴァには届かなかったものの、実績十分のゴールドドリームに先着。今後に期待を抱かせる走りを見せた。
そしてフェブラリーSに向かう。戦前、田辺騎手によれば、「(前走・南部杯は)この馬は本調子かな? と思うような状態での出走」だったにもかかわらず、想像以上の走りを見せたことで、「上のメンバーでやれているというのがフロックではなかったなと思いました」と手応えを語っていた。
前走の結果を受け、フェブラリーSでアルクトスは4番人気に支持された。好スタートから逃げたワイドファラオとともにハナを奪い合いつつ、馬群を引っ張る。そして残り400mで内から伸びて先頭に立った。だが、そこまでで力を使い果たしたのか急失速。人気を裏切る結果に終わっていた。
「単騎逃げを画策していたワイドファラオとハナの奪い合いを繰り広げた結果、ハイペースで流れすぎてしまい、先行勢に厳しい展開になりました。ただ田辺騎手も『勝ちにいった』と話したように、決して悲観する内容ではなく、次に繋がる走りだったと思います。
フェブラリーSでは敗れたものの、それまでアルクトスはダートの左回りコースで1600m以下に限定すると、『6-2-0-0』とパーフェクト連対を誇っていました。今回こそはやってくれるのではないでしょうか?」(競馬誌ライター)
G1初制覇を狙うアルクトスを管理する栗田調教師は、「自分たちが求めているイメージの追い切りができなくて、いろいろ刺激を与えてみた」といい、この中間は舌を縛り、集中力を高めるように仕向けて稽古に臨んだ。その甲斐あって、「安定したフォームで行きっぷりもいいし、推進力も増してきた」と効果に目を細める。
最終追い切りは、美浦で3頭併せを行い5F70秒5、ラスト12秒2を馬なりで記録。それぞれ1馬身先着するなど状態は悪くないようだ。
「負けたことを悲観することはない」
前回の敗戦を糧にすると誓った田辺騎手。長期に渡ってコンビを組むパートナーとともに、G1勝利を掴むことができるか。