JRAヴィクトリアマイル(G1)芝マイルG1は「0勝」ローテ……。「6か月ぶり」ラヴズオンリーユー「緩めた馬体」戻るか!?
17日、東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(G1)で昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)が今年初戦を迎える。
昨年11月のエリザベス女王杯(G1)で3着に敗れた後は、体調が整わず12月の香港遠征を直前で取りやめ、有馬記念(G1)も見送った。3月にはドバイに渡航したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止となり、レースを迎えることなく帰国するという憂き目にあった。
帰国後は、ヴィクトリアマイルに矛先を向け、先月29日にノーザンファームしがらきから栗東に帰厩。トレセン滞在わずか3週間弱で6か月ぶりの実戦に臨む。
矢作調教師は帰厩後、『スポニチ』の取材に対し「緊急事態宣言が出る前、牧場に見に行ったが馬の張りが物足りなく感じた。一度、仕上げて緩めているから仕方ない」と語っており、調教の動きが気になるところ。
6日の1週前追い切りでは、栗東CWを3頭で併せ、5ハロン69秒7、ラスト11秒6の好時計で最先着。今週の最終追い切りで“緩んだ馬体”をどこまで戻せるかがカギとなるだろう。
休み明け自体は、昨年の忘れな草賞(L)を快勝し、エリザベス女王杯でも勝ち馬と0秒2差の3着と好走しており、苦にするタイプではない。前走は5か月半の休み明けだったが、今回はそれより2週間長い6か月ぶりとなる。
JRAでグレード制が導入された1984年以降、6か月以上の休み明けでG1を制覇した馬は5頭いる。
【6か月以上の休み明けでG1制覇、1984年以降】
サクラスターオー/1987年菊花賞(6か月半ぶり)
トウカイテイオー/1993年有馬記念(1年ぶり)
トゥザヴィクトリー/2001年エリザベス女王杯(7か月半ぶり)
トランセンド/2011年南部杯(6か月半ぶり)※東日本大震災の復興支援のため東京開催
二ホンピロバロン/2018年中山大障害(8か月ぶり)
平地芝に限ると、6か月以上のブランクを克服したのはサクラスターオー、トウカイテイオー、トゥザヴィクトリーの3頭だけ。ポイントは、いずれも2200m以上の中長距離での復活劇だったという点だ。
ここ数年は外厩施設の充実などもあって、今年だけでも皐月賞のコントレイル、天皇賞・春のフィエールマンなど直行したG1で結果を出すことも多く、休み明けはむしろプラスに捉えられる傾向もあるぐらい。ただ、さすがに半年以上の休養明けでいきなりG1となると苦戦は必至だろう。特に短い距離では馬が速いペースに戸惑う可能性が大きい。