JRA武豊の一人負け!? 騎手移動制限から1か月経過。泣き笑いの結果が明らかに……
JRAは新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、4月18日から騎手の移動制限を開始した。これにより、土曜日と日曜日で異なる競馬場に移動しての騎乗ができなくなった。
また、競走馬の他ブロック競走への出走制限も行われているため、騎手にとっては所属地域を離れて騎乗する場合は、騎乗馬の確保に苦戦が予想された。
この制限により得をした騎手もいれば、損をした騎手もいるはずだ。制限開始から1か月が経過したため、制限の前後1か月の成績の変化を確認してみたい。
【騎手別勝利数(期間中8勝以上を記載、敬称略)】
制限前:3月14日~4月12日
松山弘平 19勝
三浦皇成 17勝
川田将雅 16勝
福永祐一 12勝
岩田康誠 11勝
C.ルメール 11勝
L.ヒューイットソン 10勝
田辺裕信 9勝
武豊 9勝
横山武史 8勝
M.デムーロ 8勝
制限後:4月18日~5月17日
C.ルメール 24勝
D.レーン 21勝
川田将雅 13勝
横山武史 11勝
M.デムーロ 10勝
吉田隼人 9勝
福永祐一 9勝
藤岡佑介 8勝
西村淳也 8勝
団野大成 8勝
岩田望来 8勝
移動制限前はC.ルメール騎手がドバイ渡航で長期不在、制限後は岩田康誠騎手が落馬負傷により長期離脱、松山弘平騎手も落馬負傷の影響を受けているため、単純比較はできない。また制限後に若手騎手の台頭が見られるのは、ローカルの開催日数が多いことが影響している。こういった外的要因を除いて内容を比較してみたい。
まず得をした人として浮上するのは藤岡佑介騎手だ。
制限前は5勝だったが、制限後は8勝に躍進している。これは一貫して関西での騎乗を続けていることが要因に考えられる。実際に『netkeiba.com』のコラムで津村明秀騎手と対談した際、今年の第1回小倉リーディング獲得したことについて藤岡佑騎手は「開催が6週あったから、そこで勝ち星を稼いでリーディングの順位を上げておきたかった」と戦略的に小倉で勝ち星を挙げたことを明かしている。
今回の移動制限期間中に関西圏でのみ騎乗して成果を上げているのは、こういった戦略が功を奏したのではないだろうか。
次に損をした人で、顕著に成績に表れたのは三浦皇成騎手である。
制限前の17勝から制限後は6勝まで勝ち星を大きく減らしてしまった。アンタレスS(G3)でリワードアンヴァルに騎乗するために阪神開催に参戦したことや、関西のトップジョッキーが東京でのG1開催に伴い集結したことが影響したのかもしれない。
しかし、月別の成績では3月に11勝、4月に8勝、5月は5勝で、3月は極端に調子が良かったが、4月以降も安定した結果を出している。3月が良すぎたという見方もできるかもしれない。