JRAオークス(G1)武豊が、川田将雅が、ルメールが……デアリングタクト二冠達成の「裏」に垣間見えた“絶対王者”の恐ろしさ
「1、2コーナーで2回ほど狭くなったり、ぶつかったりするようなところもあったので……」
まずはスタート直後の1コーナーだ。外にいた武豊騎乗のミヤマザクラが馬群に入ってくると、デアリングタクトにプレッシャーを掛ける。仕方なくポジションを譲った松山騎手とデアリングタクトは、隊列を1列下げ、ミヤマザクラの後ろに入らざるを得なかった。
さらに2コーナーだ。ポジションが1列下がったことで、隣に来た川田将雅騎手とリアアメリアが、さらにポジションを主張。今度は軽く接触し、松山騎手がデアリングタクトの手綱を引いたことで、位置取りはさらに後方へ下がった。
「外に出そうと思ったんですけど、少し狭くなったので……」
向正面で最内に閉じ込められ、前にミヤマザクラ、外からリアアメリアとD.レーン騎手のデゼルにマークされ、動くに動けないデアリングタクト。後方のまま3、4コーナーの勝負所に差し掛かって、ようやく馬群がバラけ始めたところで外を狙ったが、今度はC.ルメール騎手とサンクテュエールが外からしっかりと蓋をする。
「正直、最後の直線を向いた際は『やられた』と思いました。それほどデアリングタクトの位置取りは、厳しかったですね。レース後『馬に助けてもらった』と振り返っていた通り、松山騎手からすれば負けを覚悟するほどの難しい展開だったと思います。
松山騎手にとっては、これが通算72回目のJRA・G1で初の1番人気。プレッシャーはあったと思いますし、大本命馬に楽なレースをさせなかった川田騎手やルメール騎手は、さすがトップジョッキーといえる騎乗だったのではないでしょうか」(競馬記者)
その一方、今回のレースをさらに“深読み”した声もある。