【徹底考察】天皇賞・秋(G1) エイシンヒカリ「昨年は逃げずに9着惨敗も、武豊騎手は今年もハナにはこだわらない?昨年の天皇賞・秋の敗因を究明」
≪結論≫
昨年の天皇賞・秋でエイシンヒカリのハナを叩いたクラレントが今年も出走を表明しているが、昨年の天皇賞・秋以来、一度も逃げる競馬をしておらず、昨年のように逃げるとは限らない。
ただ、『考察』でも述べた通り、エイシンヒカリは2番手でも能力を発揮できるタイプの逃げ馬。ロゴタイプもある程度前から行くことが予想されるが、エイシンヒカリにとって重要なのは道中で先頭に立てるかではなく「自分のペースで走れるか」ということ。
それがわかっている武豊騎手は、昨年の天皇賞・秋で逃げなかった騎乗を批判する流れもあったが、今年もおそらく下手なハナ争いはしないはずだ。最悪3番手でもいいとさえ思っているかもしれない。
ただし、オープン昇格以降、自身の上がり最速が昨年の毎日王冠の34.0であるだけに、レースの上がり自体が34.0秒となった昨年の天皇賞・秋のようなレースは避けたい。
実はここ2年の天皇賞・秋は、前半3ハロンより後半3ハロンが2秒以上も速い極端なスローペースからの上がり勝負となっており、エイシンヒカリがこのペースに巻き込まれると、例え脚が残っていてもキレ負けしてしまう可能性は大いにある。
したがってクラレント、ロゴタイプの3番手になることは構わないが、ペースが落ち着くようなら改めてハナを強く主張すべきだ。この馬にとって前半の1000mが60秒を上回った、昨年のような流れだけは避けたいはずだ。
モーリスを筆頭に相手は強いが、本馬のポテンシャルは近年の競馬史の中でも指折りである可能性が高い。したがって最大の敵はライバルではなく自分、力を出し切れば結果はついてくるはずだ。
(監修=下田照雄(栗東担当))