【徹底考察】天皇賞・秋(G1) モーリス「札幌記念でまさかの敗戦を喫したマイル王が挑む距離の限界。しかし、最大の『不安材料』は距離よりもむしろ……」
『考察』
昨年の最優秀短距離馬で、年度代表馬のモーリスが秋の天皇賞(G1)に挑むこととなった。
前走の札幌記念(G2)は2014年5月の京都新聞杯(G2)以来の2000m以上の挑戦。その時は7着に敗れているが、馬自体がまだまだ成長途上だったことは確かだ。
そういったこともあって、単勝1.6倍と安田記念以上の支持を集めたモーリスだったが、同じ堀宣行厩舎のネオリアリズムの逃げの前にまさかの敗戦を喫した。
折り合いを重視した中団の追走から、勝負どころで外を回して追い上げたが逃げ馬に2馬身の差をつけられた敗戦。
鞍上を務めたJ.モレイラ騎手はサンスポの取材に「向正面の馬場が重たくて、後ろからでは厳しかったね。ただ、折り合いはスムーズだったし、距離も問題なかったよ」と相棒を擁護した。
ただ、それまで重賞勝ちがなかったネオリアリズムに完敗を喫したレース内容は、今後に不安を残すものだった。
実際にレースを見守ったノーザンファーム代表の吉田勝己氏は「正直、悩んでいる。これで分からなくなりました」と、一時は天皇賞・秋への参戦自体が躊躇われる状況にもなっていた。しかし、その一方で「引っ掛からなかったことは良かった。距離はこなせると思う」とも発言しており、それが最終的な判断につながったのだろう。
モーリスが2000mに一抹の不安を抱えていることは確かだが、その上で今回R.ムーア騎手を確保できたことは大きい。ムーア騎手とは昨年のマイルチャンピオンシップ(G1)と香港マイル(G1)を連勝した相性の良いコンビだからだ。