JRA王者ノーザンファーム獲得賞金「前年比43%」の激震……宝塚記念、天皇賞・春など制覇も「将来性」に大きな陰り【2020上半期総括、馬主・牧場編】
宝塚記念そして6月が終わり、JRA(日本中央競馬会)も2020年の上半期が終了した。
今週からは本格的な夏競馬が開幕するわけだが、その前にこの6か月をおさらいしておきたい。夏競馬を勝つためにも、しっかりと復習することは大事だからだ。そこで様々なジャンルの上位成績者を調べ、その内容をチェックしてみた。馬券の参考になる要素も多くあるので、ぜひ確認してもらいたい。
今回は「馬主」「生産牧場」「種牡馬」の傾向をまとめた。
■馬主全体(勝利数ではなく総賞金で算出)
1位 サンデーレーシング 183,135万円
2位 シルクレーシング 169,535万円
3位 キャロットファーム 116,283万円
大阪杯、天皇賞(春)、安田記念、宝塚記念とG1レース4勝のサンデーレーシングが首位奪取。先週の宝塚記念で僅差だったシルクレーシングを逆転した格好となった。しかし勝利数はサンデーレーシングの50勝に対し、シルクレーシング61勝、さらに3位キャロットファームの52勝にも劣っている。
■個人馬主
1位 ゴドルフィン 100,530万円
2位 松本好雄 68,220万円
3位 金子真人ホールディングス 60,140万円
この上位3名は毎年上位常連でお馴染みの馬主。世界を代表するオーナーブリーダーのゴドルフィンは所有頭数も多いが、G1レースで結果が出ていないのが痛いところ。他には全体の11位にサトミHC、12位にダノックス、13位にコントレイルの前田晋二氏が続いている。
■クラブ馬主
1位 サンデーレーシング 183,135万円
2位 シルクレーシング 169,535万円
3位 キャロットファーム 116,283万円
4位 社台レースホース 114,391万円
5位 ノルマンディー 57,072万円
6位 ウイン 52,133万円
7位 ラフィアン 50,133万円
8位 東京ホースレーシング 44,470万円
9位 G1レーシング 34,012万円
10位 ロードホースクラブ 29,024万円
全体8位・クラブ馬主5位ノルマンディーの躍進は、無敗の牝馬2冠馬デアリングタクトの活躍が大きい。逆に全体19位・クラブ馬主9位のG1レーシングは元気がない。昨年1月以降重賞レースは未勝利で、現役馬でもペルシアンナイトとルヴァンスレーヴは衰えが隠せない。加えて現3歳馬で2勝しているのが1頭のみというのも寂しい。同じ社台グループに差をつけられているだけに、巻き返しに期待したい。
■生産者(勝利数ではなく総賞金で算出)
1位 ノーザンファーム 725,047万円
2位 社台ファーム 348,625万円
3位 ノースヒルズ 101,749万円
王者ノーザンファームが2位社台ファームにダブルスコアの圧勝だ。3歳クラシックは全敗だったが、大阪杯・天皇賞(春)・ヴィクトリアマイル・安田記念・宝塚記念を勝ち、G1レース5勝はさすが。とはいえ昨年は約169億円を稼いでいたので、その比較では半分以下。下半期でどれだけ稼げるか興味深い。
逆に2位社台ファームは、ノーザンファームには引き離されたものの、昨年の年間60億円の半分以上をすでに稼いでいる。G1レースの勝利は2018年のフェブラリーSを最後にないが、今年はすでに昨年の年間7勝と同じ重賞を7勝と好調だ。
ノースヒルズは無敗の2冠馬コントレイルの影響が大だが、ここまで35勝は過去最高だった昨年の46勝を上回るペース。この勢いは当分続きそうだ。