JRAノーザンファーム時代終焉へ「16億円」大勝負の“答え”が今週末に!? 「33億円の悲劇」から26年……日高関係者の“命運”を背負った良血がついにデビュー!
昨年11月、社台グループ1強の生産界にビッグニュースが駆け巡った。新ひだか町静内に拠点を置く株式会社ジェイエスが、約16億という巨額のオファーで米国の超大物カリフォルニアクロームを購入。日高のアロースタッドで繋養されることが決まったのだ。
カリフォルニアクロームといえば、日本競馬に革命を起こしたサンデーサイレンスと同じ米国の二冠馬であり、2014年、16年と2度にわたって米国の年度代表馬に選出された歴史的名馬。日本のダート王ホッコータルマエが挑んだ2016年のドバイワールドC(G1)をレコードで制したことを覚えているファンも多いはずだ。
2017年の引退当初は米国で種牡馬入りしていたが昨年、ジェイエスら日高の生産者が集って購入に踏み切ったのだ。
そして、カルフレグランスは一足早く米国で誕生したカリフォルニアクロームの初年度産駒であり……日本では「初めて産駒がレースに出走する馬」である。
無論、もしカルフレグランスがデビュー戦で凡走したとしても、それでカリフォルニアクロームの種牡馬としての価値が決まるわけではない。しかし、それでもジェイエスら日高の関係者にとっては、16億もの大枚を叩いて勝負に出た「夢」の答えの一端が垣間見られることには違いないだろう。
今から26年前の1996年、社台グループ全盛の真っただ中、ジェイエスら日高の生産者は一度、“大勝負”に出て完膚なきまでに敗れた苦い過去がある。30年を超える社台グループの成功を語る上で、この悲劇は避けることのできない歴史的な出来事だった。