JRA「放馬」こそオルフェーヴル産駒の真骨頂!? リスグラシュー妹ら“逃走劇”から3馬身半、6馬身差の大逆転
8日、札幌競馬場で行われた9R北辰特別(1勝クラス)は、3番人気のアラスカ(牝4歳、美浦・萩原清厩舎)が優勝。昨年の年度代表馬リスグラシューの妹が待望の2勝目を飾ったが、手放しで喜べる勝利ではなかったようだ。
「放馬で他馬に迷惑をかけて申し訳ありません……」
レース後、鞍上の横山武史騎手が開口一番で語った通り、アラスカはレース前の返し馬で放馬……。カラ馬のまま、トラックを約1周した後にスタートとなった。
レース前に、大きなビハインドを背負ってしまったアラスカ。3番人気だっただけに、この時点で本馬絡みの馬券を諦めたファンも少なくなかったようだ。ネット上のSNSや掲示板でも「ああ、終わった」「せめて除外されていれば」など、ため息が聞こえてきそうな書き込みも。
しかし、大方の予想に反して、中団から抜群の手応えでまくりを見せたアラスカは、最後の直線で独走。結局、3馬身半差という完勝で2勝目を飾った。
ここ2走は好位からの競馬で3着、2着と勝ち切れないレースが続いていたアラスカだが、横山武騎手が「放馬の影響か、馬が進んでくれず、思ったより後方からのレースになりました」と振り返った通り、この日は中団からの競馬で圧勝。
レース後には「かえってそれが良かったのか、今までにないぐらい長くいい脚を使いました」と放馬のアクシデントが怪我の功名だったと明かしている。
また、放馬のハンデを乗り越えての勝利という珍しい形となった札幌9Rだが、その約2時間後、今度は新潟の最終12Rで、ベルダーイメルが放馬。返し馬で鞍上の泉谷楓真騎手を振り落としてしまった。
こちらも2番人気と、多くのファンをハラハラさせるアクシデントだったが、そのままスタートすることに。幸い、泉谷騎手も無事だったため、コンビ揃ってのゲートインとなった。
繰り返しになるが本来、放馬してしまうのは余計な体力を消耗してしまう分、レースにとってマイナスでしかないはずだ。だからこそ、大多数のファンは放馬になった時点で、馬券を半ば諦めざるを得なくなる。
その後はJRAが馬体検査を行った上での判断となるが“ゴーサイン”が出た際に、本当に万全なのか心配になるのも当然の心境だろう。自分が馬券を買った馬が放馬してしまい、そのままスタートして惨敗してしまったことは多くのファンが経験しているはずだ。