【徹底考察】桜花賞(G1)・シンハライト&ジュエラー 「2本の矢」が「王者」に届く可能性は――
結論
2頭が激戦を演じたチューリップ賞は非常にハイレベルなレースだった。しかし、これが王者メジャーエンブレムに通用するのかだが、結論から述べると桜花賞は「三強」と考えるのが妥当だと思う。
単純な時計の比較で考察すれば、メジャーエンブレムのクイーンC(G3)の1:32.5。これは、チューリップ賞よりも0.3秒速い(それにしても、なんて時計だ)。ただ、上がり3ハロンは34.7秒掛かっている。対してシンハライトとジュエラーが前走でマークした上がり3ハロンは33.0秒。実に1.7秒も速い。
ただ、おそらくメジャーエンブレムがペースを作ることになる本番で、同様の末脚を発揮できるのかといえば、当然簡単ではない。しかし、仮に直線で1.7秒差を詰められるとすれば、それは「約10馬身差が埋まる」ということになる。言い換えれば、「最後の直線でメジャーエンブレムから10馬身以内にいられれば勝機はある」ということだ。
無論、これらはあくまで机上の空論であり、そのまま実際の競馬に当てはまるほど甘くはない。ただ、逆にまったくの的外れになることもあまりない。
従って、シンハライトとジュエラーの「2本の矢」がメジャーエンブレムに届く可能性はあると信じたい。ただ、最後にそれはメジャーエンブレムが「これ以上パフォーマンスを上げないこと」が大前提であると付け加えておく。
(監修=下田照雄(栗東担当))