【徹底考察】エリザベス女王杯(G1) パールコード「圧倒的な実績を残す3歳馬。パールコードにも女王の『資格』あり」
それでも迎えた本番の秋華賞では-10kgのきっちりとした仕上げ。ビッシュ、ヴィブロス、ジュエラーの「3強」には及ばなかったが、それに次ぐ4番人気に支持された要因は偏に状態面の良さだった。
レースでは最後の直線で外側にヨレて、一瞬ヴィブロスの進路を塞ぐ行儀の悪さを見せたが抜け出したカイザーバルを捉え、ジュエラーの猛追をしのいだ価値ある2着。ヴィブロスとの力の差は決して小さくはないだろうが、それでも3歳を代表してエリザベス女王杯に挑む資格は十分だ。
【血統診断】
父ヴィクトワールピサは今年の3歳が初年度産駒となるため、まだサンプル数が限られているものの、芝のマイルから中距離で活躍する傾向がじょじょに固まりつつある。
代表産駒の桜花賞馬ジュエラーは世代屈指のキレを持っているが、本馬パールコードは好位からの粘り込みに味のあるタイプ。ヴィクトワールピサの影響をより強く受けているのが後者であり、今後も芝の中距離で活躍するだろう。
血統構成的にはヴィクトワールピサ産駒の活躍馬の中で、すみれSを勝ったジョルジュサンクが最も近い。互いにネヴァーベンドやリボーといった底力溢れる重厚な血を持っている、おそらくこういったところが持続力に寄ったヴィクトワールピサ産駒の特徴なのだろう。
本馬はジョルジュサンクほど切れない印象はないが、それでも純粋な瞬発力勝負には不安がある。秋華賞で上がり3ハロン33.8秒を叩き出しているが、最速がヴィブロスの33.4秒と全体では4番目と目立った末脚ではなかった。