JRA武豊「パドック不要論」再燃!? 「正直に言って、それほどとは……」新型コロナウイルスがもたらした“怪我の功名”に注目
競馬ファンにとって、馬券予想の重要なファクターとなっているパドック。日本のあらゆる競馬場に存在し、レースに出走する馬の直前の状態をじっくり確認できる貴重な場として100年以上、競馬にとってなくてはならないものと認識されている。
ただ、その一方で日本のパドックは海外と比較して周回時間が長いことでも有名だ。特に熱中症が懸念される夏場のパドック周回は以前から問題視されており、JRA(日本中央競馬会)も散水用のミストを設置するなど、様々な対策を行っている。
そんな中、今年は新型コロナウイルスの影響によって無観客競馬が長期にわたって実施されており、出走を控えた競走馬たちは無人のスタンド前をグルグル周回する。無論、テレビの向こうの競馬ファンのために行っているのだが、なかなかシュールな構図と述べざるを得ないだろう。
ただ、そんな“無人パドック”において競走馬に大きな変化があったようだ。
「正直に言って、まさか、それほどまでとは思っていませんでした」
『日刊大衆』(双葉社)で連載しているコラム『人生に役立つ勝負師の作法』で武豊騎手は、無観客競馬になってからパドックのボロ(馬糞)の数が減ったことを指摘。馬はストレスを感じるとボロをしやすい特徴があり、その数が減ったということは、それだけ競走馬に対するストレスが減少していることに繋がっているという。
「コラム内で武豊騎手も指摘していますが、裏を返せば、通常時のパドックはそれだけ競走馬の負担になっていたということ。競馬が馬券売上で成り立っている以上、ある程度“人間ファースト”になることは仕方ないかもしれませんが、武豊騎手も『分かっているつもりでしたが、それほどまで(変化がある)とは思っていませんでした』と驚いている様子でした。
社会全体を見ても新型コロナウイルスを機に、従来の様々なものの在り方に対して、見直しが指摘されていますが、競馬のパドックもその中の1つなのかもしれません」(競馬記者)
実は、武豊騎手は競馬予想においてパドックを見ないことでも知られている。