歴史的名牝ブエナビスタの娘コロナシオンが、あの「殿堂馬」が足掛かりにした出世レースで連勝に挑む!
1000mの通過は63.1秒。10頭立ての2歳新馬戦らしいスローペースを、コロナシオンは後方から3番手を追走している。そこからいざ直線で外に持ち出されて、追い出してからの脚はさすがの一言だった。
まだまだ反応が鈍いところがあるものの、MAXスピードは完全に他馬と脚色が違った。2位よりも0.6秒速い、上がり3ハロン最速の33.8秒。まさしく”別次元”の末脚で、あっという間に先頭の馬を捉えてゴールへ飛び込んだ。
「最初はスピードに乗らず、ストライドの小さい馬なのでエンジンが掛かるまで時間が掛かりました。しかし、直線に入ってからの反応は良く、最後までしっかり走ってくれました。血統的なポテンシャルは一番の馬です。距離は2000mくらいが合っています」
レース後の勝利騎手インタビューでそう答えたルメール騎手は、最後に「イケそうです。重賞でもやれると思います」とこの馬への期待感を隠さなかった。
戦前「追い切りでも本気で走らせたことがなかった」と話していた池添学調教師も、底知れぬスケールに「初めて力を見ました。やっぱり血ですね……すごい。びっくりしました」とただただ驚くばかり。
無論、まだまだ荒削りな面も多く、率直に述べると「素質だけで勝った」という表現がぴったりのデビュー戦だった。
あれから約1カ月、今週末の黄菊賞に向けて順調に調整が重ねられてきたコロナシオン。ルメール騎手が跨った最終追い切りでも素軽い動きを披露し、陣営は「2戦目の今回は、初戦よりは進んでいくと思います」と日刊スポーツの取材に手応えを語っている。