【徹底考察】マイルCS(G1) ネオリアリズム「モーリスを沈めた超新星は『本物』か?初のマイル戦で逃げるのか控えるのか徹底解剖」
その上で本馬のマイル適性に関してだが、リアルインパクトやアイルラヴァゲインらがマイル実績を持っているから大丈夫と考えるのは、やや安易だ。
その他の兄弟もおおむねマイル以下で活躍し、母がスピード型なのは確かだが、ステイゴールド産駒となる弟のレアリスタは7戦4勝ながら中距離で活躍。スピードよりもスタミナに優れた種牡馬との配合では、それなりに距離をこなすのだろう。だが、逆に述べれば、それだけ短い距離への適性は薄れるということだ。
その上で本馬の父ネオユニヴァースはステイゴールドほどスタミナに寄っていないが、ディープインパクトほどスピードがあるわけでもない。代表産駒はヴィクトワールピサにロジユニヴァース。トニービンとの配合でステイヤーのデスペラードも輩出しているが、中距離種牡馬と考えるのが妥当だろう。
したがって、スピード寄りの母との配合であればマイルは守備範囲。だが、初のマイルでいきなりのG1挑戦には不安が残る。どこから競馬をするのかわかり辛い馬だが、前走の札幌記念のようにすんなりハナを奪うということはなさそうだ。ペースに戸惑い、後方からの競馬になる展開もあり得るだろう。
≪結論≫
『考察』で述べた通り、札幌記念のネオリアリズムの走りは馬場に恵まれた部分を割り引いても強い内容。奇襲であったとしてもモーリスに土を付けた評価はすべきだろう。
ただ、問題は「その力が今回も発揮できるのか」という点だ。
最大の課題は、今回が「初のマイル戦」だということに尽きる。【血統診断】で述べた通り、血統的にマイルは守備範囲といえるが、いきなりのG1となれば、ただ”守れるだけ”では通用しない。
その上でネオリアリズムにとって厄介なのが、スプリンターズSから転戦してきた逃げ馬ミッキーアイルの存在だ。まず、この時点でネオリアリズムがハナに立てる可能性は、ほぼなくなった。ミッキーアイルはスプリント戦でも上位の逃げ馬。前走で初めて逃げたネオリアリズムが抵抗するのは極めて困難だ。