JRA神戸新聞杯(G2)の“試走大失敗”で「福永祐一×コントレイル」の弱点露呈!? 無敗3冠に黄信号か……
20日(日)、中京9Rでは小牧特別(2勝クラス)が行われた。
芝2200mという舞台は、来週の神戸新聞杯(G2)と同じコース設定。このレースで1番人気に支持されたフライライクバードに騎乗したのが福永祐一騎手だった。コントレイルで臨む来週の菊花賞(G1)前哨戦に向けて試走的な意味合いもあったが、同騎手の思惑通りとはならなかったようだ。
このレースを制したのは2番人気のアリストテレス。M.デムーロ騎手を背に、道中早めに先頭に立つと、4コーナーで外から並びかけたフライライクバードとのデッドヒートを制した。
「福永騎手のフライライクバードは、直線で先に抜け出していたデムーロ騎手のアリストテレスに馬体を併せられ、フライライクバードは一瞬怯んだように見えました。さらに福永騎手が左ムチを2発、3発と入れると、フライライクバードは外に膨れてしまいました。ここでデムーロ騎手は外によれたフライライクバードに対し、さらに馬体を併せに行くというやや強引な騎乗を見せましたが、結果的にこれが勝因ではないでしょうか。
一方の福永騎手はフライライクバードが外によれた後、ムチを左手から右手に持ち替えましたが、その隙にアリストテレスの方がスッと加速し、勝負が決しました。福永騎手にとって中京2200mというコースはそう多く騎乗する機会はないでしょうから、いいイメージで来週(の神戸新聞杯)を迎えたかったのでしょうが、結果的には課題を残すことになりましたね」(競馬誌ライター)
もちろん、この結果が来週の神戸新聞杯につながる可能性は高くないだろう。福永騎手が騎乗するのは、圧倒的な強さで無敗の2冠馬に輝いたコントレイル。前哨戦では、他馬に並ばれることなく突き抜けるというのが大方の見方だ。
しかし来週の神戸新聞杯は18頭のフルゲートが予想され、“因縁の相手”デムーロ騎手もマンオブスピリットに騎乗を予定している。他のライバル勢も易々とコントレイルを勝たせるわけにはいかないはずだ。
コントレイル自身も前走の日本ダービーの時が460kgと決して馬格に恵まれているわけではない。これまでの5戦で最も苦しんだ皐月賞(G1)は、直線で大型馬のサリオスに馬体を併せられたことが苦戦の一因にもなった。
神戸新聞杯、そして菊花賞へと続く3冠ロードで他陣営から包囲網を敷かれ、必要以上に競りかけられる場面は必ずあるだろう。福永騎手は小牧特別での騎乗を糧にすることはできるか。もし福永騎手が嫌なイメージを持ったまま神戸新聞杯を迎えるようなら、無敗での3冠に黄信号が灯ることになるかもしれない。