JRA「苦労人」福永祐一が岡部幸雄、武豊の領域へ。「頭が真っ白」「最低の騎乗」コントレイル楽勝も最後まで出なかった「三冠」という言葉に感じる「7年間の苦節」
「次はいよいよ大一番になりますので……えー、(三冠を)なんとか達成できるように皆さんの応援をいただいて、後押ししていただければと思います」
約2分間に及んだ神戸新聞杯の勝利騎手インタビューで、福永騎手は最後まで「三冠」という言葉を口にしなかった。思い返せば、岡部騎手と武豊騎手は春の二冠を制した際、馬上で三冠を強く意識する1本指と2本指を立てたが、今年の福永騎手にそういったパフォーマンスは見られない。
これも福永騎手が、これまで数々の失敗と挫折を繰り返してきたからだろう。
長年、「ポスト武豊」の一番手に名前が挙がっていた福永騎手は、まさにたどり着くべくして、この場所までたどり着いたと言えるのではないだろうか。菊花賞では、胸を張って3本指を立ててほしい。