戸崎VSルメールによる熾烈なリーディングジョッキー争い。エージェントも絡む「最強タッグ戦」の鍵を握るのはやはり社台グループか。
ちなみにエージェントは一人当たり3名の騎手と1名の減量騎手を抱えることができるため、中村氏も豊沢氏も他に有力ジョッキーを抱えている。中村氏は戸崎騎手以外に内田博幸騎手、そして短期免許で来日中のムーア騎手を担当。豊沢氏はルメール以外に浜中俊騎手と若手の城戸騎手を抱えている。つまり東西のトップジョッキーをこの2名がまとめている状況なのだから、この二人に多くの厩舎から有力馬の騎乗依頼が届くのは当然だろう。
そして彼らエージェントは多くの騎乗依頼の中から、より勝利のチャンスがある馬を戸崎やルメールに手配し、2番手以降の評価の馬を内田騎手やムーア騎手に回しているのが現状だ。
例えば先週の12日京都10Rの観月橋ステークスでは、1番人気のオールブラッシュにルメールが騎乗し見事1着、2番人気ブチコに浜中騎手が騎乗してたが8着に敗退。ブチコは前走ルメールで勝ち上がっていたが、今回ルメールを他の馬に乗せたように、勝負気配が高かったのはオールブラッシュだったということだろう。
ちなみに戸崎騎手は13日の日曜日にエリザベス女王杯が行われる京都に遠征せず、東京で勝ち星量産を狙ったようだ。この日は9頭の騎乗のうち6頭が1番人気と良質の馬を確保し、キッチリ3勝をあげた。もし戸崎騎手がアウェイの京都に遠征していても、このような良質な馬を確保することは難しく、勝ち星を挙げることは適わなかっただろう。つまり先週に関して言えば、戸崎騎手もエージェントの中村氏もエリザベス女王杯の騎乗よりも地元での勝利を優先したわけだ。
基本的に関東の厩舎関係者は、関西のルメールよりも同じ関東の戸崎騎手を応援しているとのこと。社台グループがルメールやムーアを優先して指名しない限り、今後関東の有力馬は戸崎騎手に集結しリーディング獲得をバックアップするだろう。