「日本の武豊VS世界のR.ムーア」今年のジャパンC(G1)は、馬よりも「騎手」による世界との戦いだ!
今年はドバイターフ(首G1)を勝ちG1初制覇を海外で飾ると、惜敗続きにも終止符を打った。しかし、その勢いで挑んだ安田記念(G1)では折り合いを欠いて11着に大敗。秋も調整が遅れて前哨戦の毎日王冠(G2)をパスするアクシデントがあったが、本番で勝ったモーリスに食らいついて、見事復調を果たした。
こうなるとフレッシュな状態で戦える分、逆に毎日王冠を使えなかったことが活きてくる。
さらに強烈な追い風になっているのが、世界No.1騎手と名高いR.ムーア騎手を確保できたことだろう。この騎手が如何に優れているのかは、天皇賞・秋で負かされたモーリスの鞍上だったことからも陣営が最もよく理解している。「昨日の敵は今日の友」ではないが、陣営にとってこれ以上、心強い”助っ人”もいないだろう。
「勢い」という点で最も警戒すべきなのが、アルゼンチン共和国杯を勝ってきたシュヴァルグラン(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)ではないだろうか。
昨年のクラシックにこそ縁がなかったものの、ひと夏を越して急激に力を付けたシュヴァルグラン。条件戦を楽に勝ち上がり、今年は阪神大賞典(G2)を勝つなど充実したシーズンを送っている。
春の天皇賞で3着とG1でも通用する力を示し、この秋は始動戦のアルゼンチン共和国杯を完勝。ここ10年でアドマイヤジュピタ、スクリーンヒーロー、トーセンジョーダン、ゴールドアクターという4頭のG1馬を送り出している出世レースで弾みをつけてきた格好だ。