「迷惑をかけて申し訳ない」マイルCS(G1)はミッキーアイルが乾坤一擲の逃げ切り!稀代の逃亡者が約2年半ぶりの美酒に酔うも浜中俊騎手は騎乗停止
そして何よりも、ここはG1の舞台である。後続が徐々に差を詰め、中でも外から伸びてきたイスラボニータの脚色は突き抜けそうなほどの手応えだった。内から抜けてきたサトノアラジンも、先頭を走る2頭に猛然と襲い掛かろうとしている。
しかし、残り200mを切った辺りでレースは限界を超えたサバイバルの様相を呈してくる。
突き抜けそうだったイスラボニータが、脚色を鈍らせながらも必死に前を捉えようとするが、限界を迎えて先頭争いから脱落したネオリアリズムを交わすのが精一杯。
先頭のミッキーアイルが乾坤一擲の粘りを発揮して、先頭でゴールに飛び込んだ。
思い返せば、今回で19戦目となる5歳馬ミッキーアイルは、自分にとっての「ベスト」を求めて常に試行錯誤してきた馬である。
この馬が「自分探しの旅」に出るきっかけとなったのは、NHKマイルC(G1)を含む5連勝で挑んだ2014年の安田記念(G1)、そして前哨戦のスワンS(G2)を勝って挑んだ同年のマイルCS(G1)で、ともに大敗を喫したことだ。