【徹底考察】ジャパンC(G1) キタサンブラック「キャリア唯一の大敗を喫した東京2400mは『鬼門』なのか。昨年の日本ダービーの走りを分析」
ハナをミュゼエイリアンに譲ったものの、先述した通り2番手からの競馬はこれまで通りの作戦だ。
ミュゼエイリアンが作ったペースは1000mの通過が58.8秒というもの。速いペースだが、それはここまで。この後の1000m~1800mまでの4ハロンはすべて12秒台半ばのラップが刻まれており、各馬がしっかりと息を入れられる流れだった。
ペースが落ち着いたこともあって、隊列に大きな動きがないまま最後の直線へ。残り500m地点では逃げたミュゼエイリアンにキタサンブラックが並びかけて、2頭で先頭を走っている。
だが、それを一瞬で飲み込んでしまったのが1番人気のドゥラメンテだった。圧倒的な脚色で先頭に躍り出ると、後続を突き放す。ミュゼエイリアンとキタサンブラックにとっては、早めに交わされてしまう極めて苦しい流れとなった。
その直後のことだった。3番手を追走していたコメートが突如、内側へ斜行。強引に進路を塞がれたキタサンブラックは北村宏騎手が手綱を引き、そこでレース終了。あとはほぼ抵抗することなく、14着に沈んでいる。
【血統考察】
この馬の血統を考察するのは5度目になるが、ディープインパクトと同様の血統背景を持つブラックタイドと、ビッグアーサーなど優秀な短距離馬を数多く輩出しているサクラバクシンオーとの配合である本馬をステイヤーと呼ぶことはできない。
これが血統考察の限界と言えばそれまでだが、血統とはあくまで子孫の統計的なデータの蓄積の結果であり、本馬が今後どれだけ長距離を勝とうと、その傾向が簡単に変わることはないということだ。