『春のG1連戦スペシャル企画』競馬評論家が怪物・メジャーエンブレムの「正体」に迫る!
今回は『春のG1連戦スペシャル企画』ということで、いつも【徹底考察】の関東版でお世話になっている競馬評論家の永谷研さんに、桜花賞(G1)で大本命となりそうなメジャーエンブレムについてお話を伺いました。
記者:いつもお世話になってます。今日は、G1開催直前のお忙しいところをありがとうございます。
競馬評論家・永谷研(以下永谷):いえ、構いませんよ。こちらこそ、お世話になってます。
記者:さて、さっそくメジャーエンブレムに関して、いろいろとお聞きしたのですが、まずズバリ「勝つ可能性」は実際のところ、どの程度あるんでしょうか。
永谷:ズバッと来たね(笑)。詳しくはメジャーエンブレムの【徹底考察】を見てもらえればと思うけど、少なくとも「絶対的な存在ではない」とは言えるかな。
記者:ということは、他の馬にもチャンスがあるということですね。しかし、あれだけ強い逃げ馬だと、誰かが強引に競り掛けて「いつもの逃げる競馬をさせない」もしくは「超ハイペースに巻き込む」といった対応策を取ってくる可能性もあるのでは?
永谷:確かに、強い逃げ馬がそうして負けるケースはある。ホッコータルマエに徹底マークされた昨年のコパノリッキーとかがそうだね。けど、今回そうなる「可能性は極めて低い」と思うよ。
記者:そうはならないと……?
永谷:まずメジャーエンブレムの数少ない弱点が、その前向き過ぎる気性だから。仮に強引に潰しに来る馬がいた場合、それはメジャーエンブレムにとってはむしろ歓迎材料。折り合いに不安のある馬にとって、前に馬を置けることに越したことはない。もちろん、そんなことは各関係者も踏まえてるし、逆にルメールを喜ばせるだけになる可能性が高いから、わざわざしないと思うよ。
記者:なるほど。
永谷:あとは、メジャーエンブレムが踏んでるラップだな。阪神JFの前半1000mが58.7秒。前走のクイーンCに至っては57.8秒。こんな速い馬を潰しに行くのは単純に難しいし、仮に行けたとしてもタダでは済まないでしょう。古馬のG1ならともかく、一生に一度のクラシックの舞台で”つぶれ役”になりたい馬なんていないと思うよ。
記者:確かにあれを追いかけるのは、相当な覚悟がいりそうです。
永谷:第一、メジャーエンブレムはスピードの違いでハナに立ってるだけで「逃げなきゃダメ」っていう馬ではないからね。仮に潰しに来ても「お先にどうぞ」となるだけだと思うよ。
記者:では、クイーンC(G3)からのローテーションについては、いかがでしょうか。グレード制が導入されてから、クイーンCから桜花賞に直行して勝った馬はいないんですよ。
永谷:そうなの?