【徹底考察】チャンピオンズC(G1) ラニ「米三冠皆勤馬は終わったのか?巻き返しに必須の条件は昨年の再現!?」
『考察』
ダート界の新王者アウォーディーが中心となる今年のチャンピオンズC。その一方で、アウォーディーと同じくヘヴンリーロマンスを母に持つラニも、ひっそりと初の国内G1の檜舞台へ上がる。
3月のUAEダービーを優勝したのちに渡米し、当初のプラン通りケンタッキーダービー→プリークネスS→ベルモントSのアメリカ三冠路線を踏破。残念ながら栄光を手にするまでは至らなかったものの、最後のベルモントSで見せ場十分の3着に好走し、3戦すべてで手綱を握った武豊騎手をして「また、この馬でアメリカに来たいね」と言わしめた。
その後は国内での活躍が期待されたものの、復帰初戦のOP戦・ブラジルCを3着。続くみやこSでは3番人気ながら見せ場なく13着と、期待を裏切る結果となった。果たしてラニの復活劇はあり得るのか。前走の内容を振り返り、その敗因を探っていきたい。
みやこSはJBCクラシック・武蔵野Sと並ぶチャンピオンズCのステップレース。ジャパンCダート時代も含めた過去10年で6頭が馬券圏内に好走し、12年のニホンピロアワーズ、10年のトランセンドがこのローテーションから優勝を経験している。
レースは前半、まずまずのスタートを切りながら後方へポジションを下げる展開。これはUAE・アメリカでも見られたいつものパターンで、ゲート難というよりダッシュ力が不足しており、好位からの競馬をすることができないのだ。
道中は後方3番手あたりでレースを進めたが、先行集団が3コーナーに差し掛かるあたりで、後方2番手→最後方と徐々に位置取りが下がっている。鞍上の内田博幸騎手も促しているのだが、馬自身が進む気をなくしているような印象で、どれだけおっつけてもポジションが上がらない。直線入口前でようやく1頭抜いたものの、残り300mの地点で画面はアポロケンタッキーとグレンツェンの先頭争いにフォーカスし、ラニを含む後方勢はフェードアウト。そのまま最後まで見せ場なく終わってしまった。