武豊も頭が上がらない?アウォーディー、ラニ、キズナ、ワンアンドオンリーらを送り出す最強の非社台系オーナーブリーダー・「ノースヒルズ軍団」とは何者だ?
ノースヒルズは北海道新冠の生産牧場だけでなく、競走馬の育成牧場「大山ヒルズ」を鳥取に開場し、ノースヒルズの生産馬以外にも競りなどで購入した馬を育成している。この大山ヒルズは栗東トレーニングセンターから3時間半で行ける好立地に加え、最先端の設備と技術が融合した国内屈指の育成牧場。先日の京都2歳ステークスを優勝したカデナも現在この大山ヒルズで来年のクラシックへ向けて調整されている。
またアメリカでも「North Hills Co. Limited」を所有し、ノースヒルズで生産したヘヴンリーロマンスを置いて海外の種牡馬と種付けさせるなどその活動は日本にとどまらない。実際にアウォーディーもラニもそこで生産し、日本に逆輸入した馬。海外で生産するのはリスクもコストもかかるが、国内だけでなく海外の種牡馬と積極的に配合することで、新たな血を招き入れることになるのだから、これは素晴らしい判断といえよう。
ノースヒルズはこれまでキズナ、ワンアンドオンリーと2頭の日本ダービー馬を生産しただけでなく、牝馬ながら天皇賞・秋を優勝したヘヴンリーロマンス(アウォーディー、ラニの母)、ファレノプシス(桜花賞・秋華賞・エリザベス女王杯)など多くの名馬を生産。その実績は社台グループにも決して引けを取らない。
また外人騎手を率先して乗せる傾向にある社台グループと異なり、このノースヒルズ軍団は日本人騎手を主戦に置くことが多い。特に武豊騎手とはキズナで日本ダービーを優勝したほか、凱旋門賞でも騎乗させているし、ラニのアメリカ三冠もすべて武豊騎手が騎乗した。これが社台グループなら確実に外人騎手に乗り替わりだったはず。武豊騎手にとっては頭が上がらない存在といえるだろう。
今年はノースヒルズ軍団の馬で68勝(11月27日現在・育成馬含む)、重賞12勝をあげて生産者リーディングは11位だが、2015年9位、2014年4位、2013年4位、2012年5位、2011年4位という成績を考える少々物足りないところ。