JRAアリストテレスVSサトノフラッグVSヴェルトライゼンデ!「打倒コントレイル」へ有馬記念(G1)ファン投票「3歳」3、4、5位がAJCC(G2)で激突!
11月のジャパンC(G1)でコントレイル、デアリングタクトを退け、伝説を残したアーモンドアイもついに引退。同世代の盟友ラッキーライラックも有馬記念(G1)を最後にターフを去ることがすでに決定しており、17日にはG1・3勝を挙げたアドマイヤマーズも引退を表明した。
数々の名レースと共に、1つの時代が終わりを告げる2020年。来年2021年は残されたスター候補たちによる「新時代」の幕開けとなるだろう。
そんな中、年明けの1月に行われるAJCC(G2)に次代を担う有力馬が続々参戦を表明。早くも例年以上の盛り上がりを見せている。
最初に名前を取り上げたいのは、アリストテレス(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
ナリタブライアンにディープインパクト、オルフェーヴル。歴代の三冠馬にとって、クラシック最終戦となる菊花賞(G1)は、乱暴な言い方をすれば、やや長めのウイニングランだ。それくらい同世代では能力が突出している。早々に勝利が決定的になり、関係者もファンも感無量の思いでゴール板を駆け抜ける三冠馬を瞼に焼き付けるのが、三冠を飾る菊花賞のゴールシーンの定番である。
しかし、今年のコントレイルはまったく違った。それは本馬にとって3000mへの適性があまりに低かったことに起因するが、それ以上にアリストテレスというG1級の上がり馬が台頭してきたからだ。
「菊花賞の道中は、ずっとコントレイルをマークするような形。最後はねじ伏せられましたが、3着だったサトノフラッグには3馬身半差。同世代の絶対王者をクビ差まで追い詰めました。
その後は、ファン投票で3歳ではコントレイル、デアリングタクトに次ぐ14位となるなど、年末の有馬記念に出走しても『面白い存在になる』と言われていましたが、大事を取って年明けのAJCCからの再始動となりそうです。
鞍上は引き続きC.ルメール騎手になる模様。前走からは800mの距離短縮になりますが、元々これくらいの距離の条件戦を勝ち上がってきた馬ですし、この馬次第で来年の春競馬の盛り上がりが変わると言っても過言ではないほどの注目馬ですね」(競馬記者)
一方、菊花賞で完敗したサトノフラッグ(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)もここから始動する。
前走の菊花賞のゴール前では、コントレイルとアリストテレスの競り合いを見守る3着と完敗の内容だったが、世代トップクラスの能力の高さを改めて示した一戦でもあった。こちらも距離短縮は歓迎の口で、中山コースは弥生賞ディープインパクト記念(G2)勝ちとセントライト記念(G2)2着の実績がある。
「管理する国枝厩舎にとっては、アーモンドアイという屋台骨が引退した状況で迎える2021年。サトノフラッグに懸ける期待は当然大きなものになりますし、次代のエースへ『ここで負けているようでは……』という思いもあるでしょう。菊花賞からの間隔も十分ですし、ここは勝ちに来ると思いますね」(同)
ここで、もしアリストテレスに完敗するようなら、今後も逆転は極めて厳しくなる。サトノフラッグにとって、AJCCの中山2200mはそれくらい相性のいい舞台だ。