【徹底考察】阪神JF(G1)ジューヌエコール 「ダート短距離一族の『異端児』に芝G1制覇は可能か!? 3連勝中ゆえの目に見えない課題とは」
ジューヌエコール自身も初戦&2戦目はパワーのいる馬場で連勝。前走の末脚を見ても瞬発力タイプという感じは受けず、むしろ力で押し切る馬力型のようだ。血統背景を考えれば、後々はダート路線への転向も視野に入るのではないだろうか。
【結論】
前走考察でも少し触れたが、この馬にとっての一番の課題は気性面にある。距離延長のデイリー杯は勝ちきったとはいえ楽な内容ではなく、2着に差を付けられなかった要因はハミ噛んで力んだことによる道中の消耗かもしれない。
マイル2戦目&おそらくペースの上がる今回は条件的に好転するという見方もできるかもしれない。だがデビュー戦と2戦目の内容を振り返ってみれば、どちらも前走以上のテンションの高さを露呈していることを考えると、現時点でマイルに抜群の適性があると考えるのは早計ではないだろうか。
加えて心配なのは、2戦目の鞍上がルメール騎手だったこと。言わずもがな今の日本で1、2を争うトップ騎手だが、乗り難しいアンビシャスやネオリアリズムで好成績を挙げるなど、折り合いをつけるのが抜群に上手い。つまり、ルメール騎手ですら(少なくとも序盤は)落ち着いて走らせられなかったということは、よほど気性面に問題があるのではないかと推測されるわけである。
そのような危うさを抱えている中でも3連勝をするのだから、当然ながら完成度の高さは言うまでもない。今回も好走できて不思議はないのだが、かといって軸として信頼するとなると不安は残る。テン乗りのバルザローナ騎手がどんなエスコートを見せるか、そこが今回のカギとなりそうだ。
(監修=下田照雄(栗東担当))