JRA【共同通信杯(G3)展望】横山親子に「仁義なき戦い」勃発!? 牡馬クラシック有力候補に名乗りを上げるのは武史×エフフォーリアか?典弘×ステラヴェローチェか?
14日には東京競馬場で共同通信杯(G3)が行われる。過去10年だけでもゴールドシップ、イスラボニータ、ドゥラメンテ、ディーマジェスティの4頭がこのレースをステップに皐月賞(G1)を制覇。本番につながる重要な一戦として注目される。
今年も豪華なメンバーが顔をそろえそうだが、重賞初挑戦となるエフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)をまず取り上げたい。
デビューは昨年8月の札幌。単勝1.4倍の圧倒的人気に先行抜け出しの勝利で応えると、前走の百日草特別(1勝クラス)は中団からレインフロムヘヴン以下を差し切った。今回は3か月ぶりの実戦となるが、過去2戦の内容から皐月賞の切符を手にする実力の持ち主であることは明らかだ。
不安は多頭数競馬を経験していない点だろう。デビュー戦が7頭、前走は8頭立てという少頭数だった。ただし、今回もフルゲートに満たない12頭前後の出走が想定されていて、舞台は広い東京コース。デビュー3連勝での皐月賞挑戦が現実味を帯びる。
手綱を取るのは3戦連続騎乗となる横山武史騎手。昨年、史上最年少で関東リーディングに輝いた若手のホープだ。これまで牡馬クラシックレースには、2019年の日本ダービー(G1)でリオンリオンに騎乗しただけ。その時は騎乗停止になった父・横山典弘騎手の代打騎乗で、大逃げを打って場内を沸かせた。今年は、自らの力でエフフォーリアを牡馬クラシック路線に導けるか。
父の横山典騎手も有力馬への騎乗を予定している。実績はこの世代でも屈指のステラヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
横山典騎手が初めて騎乗したのはデビュー2戦目のサウジアラビアRC(G3)。不良馬場のなか、後方から直線一気の末脚でインフィナイト以下を豪快に差し切った。
続く朝日杯FS(G1)でも中団後方から末脚を伸ばし、勝ったグレナディアガーズに肉薄。3/4馬身及ばなかったが、先行馬が止まらない高速馬場で、その伸び脚は際立っていた。過去2戦は全く違う馬場にもかかわらず、上がり最速をマーク。その適応力は大きな武器となるだろう。
今回も後方からの競馬が濃厚だが、先行するとみられるエフフォーリアをゴール前きっちり差す競馬を見せるのか。それとも息子だからとかわいがることなく、早めに“潰し”にかかるのか。どちらにしても父の威厳を見せたいところだ。
C.ルメール騎手が鞍上を務めるキングストンボーイ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)もまだ底を見せていない魅力ある1頭だ。
唯一の黒星を喫した2走前のサウジアラビアRCではステラヴェローチェに1秒1差の5着に敗れたが、不良馬場に敗因を求めていいだろう。その後は、ベゴニア賞(2歳1勝クラス)で2勝目を挙げ、通算3戦2勝。血統的には、半兄に皐月賞馬のエポカドーロがいて、3歳春に向けてその成長曲線はピークを迎えそう。
兄に続くためには、最低限でも賞金加算は必須。横山親子をまとめて負かすなら、ルメール騎手騎乗のこの馬が最有力か。