「16冠ベビー」ソウルスターリングが楽勝で2歳女王に輝くも、藤沢和雄調教師が怪物の娘の「牡馬クラシック参戦」に消極的なワケとは


 すでに初年度から世界各国で活躍馬を送り出しているフランケルだが、G1勝利はソウルスターリングが第1号となる。今後のフランケルの活躍如何では「歴史的勝利」ということにもなるが、それ以上に大きいのが「マイルのG1」を制したことだ。

 マイルから2000mを主戦場とした現役時代を鑑みれば当然ともいえるが、フランケルの父は2400mを主戦場としたガリレオ。祖父の大種牡馬サドラーズウェルズと合わせて、欧州特有のスピード不足により日本では尽く失敗した。

 類稀なるスピードを持ちながらも、そんな”サドラーズウェルズ系”の種牡馬でもあったフランケルが、世界的にも主流といえるマイルで結果を残した意義は、日本のみならず世界的にも極めて大きな収穫といえるだろう。

 今でこそソウルスターリングがマイルG1を勝ち、同じ日本のフランケル産駒のミスエルテが1400mのファンタジーS(G3)を勝って、今週の朝日杯フューチュリティS(G1)で最有力視されていることからも、マイルへの不安は完全に払拭されたと述べて良い。

 だが、実際にソウルスターリングを管理する藤沢和雄調教師が、本馬を洋芝の札幌1800mでデビューさせたように、スピードに対する不安は確実に存在していたといえるだろう。続く2戦目で、あえて牡馬にぶつけてでも1800mのアイビーS(OP)を使ったことからも慎重にレースを選んでいたことがうかがえる。

「藤沢調教師といえば、フィールズ株式会社の山本英俊オーナーとのコンビで天皇賞馬スピルバーグや青葉賞を勝ったペルーサなどの成功例を生み出した一方で、欧州色の強い良血馬を日本で走らせては尽く失敗したことでも有名です。

 そういった苦い経験が、今回のソウルスターリングに活きたことは間違いないでしょうね。それが山本オーナーの馬でないところは残念ですが……」(競馬記者)

 また、ソウルスターリングは来年の牝馬クラシックに加えて、牡馬クラシックにも登録を行っていることが、今になって大きな話題となっている。

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