JRAフェブラリーS(G1)レッドルゼル&川田将雅は「買い」か「消し」か? 最重要データと関係者証言で導かれた結論は……
週末はいよいよフェブラリーS(G1)だが、今年は近年まれに見る大混戦といっていいだろう。
武豊騎手が騎乗するも約2年間未勝利のインティ、C.ルメール騎手が騎乗したチャンピオンズC(G1)があっけない敗退だったカフェファラオ、前走が重賞初勝利のオーヴェルニュとレッドルゼル、マイルチャンピオンシップ南部杯(G1)の優勝馬アルクトスやサンライズノヴァは、JRAのG1レースで連対の経験がない。果たしてどの馬がもっとも勝利に近いのだろうか。
特にファンの頭を悩ませているのが、根岸S(G3)を勝利したレッドルゼル(牡5、栗東・安田隆行厩舎)の存在だろう。
鞍上は絶好調の川田将雅騎手、そしてフェブラリーSの前哨戦である根岸Sを快勝と、このレースでもっとも勢いのあるコンビだ。しかし今回はデビュー以来初めてとなる1600m戦。フェブラリーSは芝スタートで、直線が長く坂もあり、スタミナとスピードが要求されるタフなコース。インターネットの掲示板では「買い」だの「消し」だの激論が飛び交っていることもあり、今回はレッドルゼルがフェブラリーSで通用するのか、そのダート1600m適性などについて検証してみた。
■血統からは?
まず距離適性を語るうえでもっとも重要なのが血統だ。レッドルゼルの父はロードカナロア。アーモンドアイやサートゥルナーリアなどの名馬を輩出するなど、その能力は誰もが認めるところ。これまでJRAの重賞レースを36勝しているが、意外にもダートの重賞レースはレッドルゼルの根岸Sが初めてで唯一の勝利。芝35勝・ダート1勝はあまりにも両極端だ。また細かい成績を見てみると以下の通り。
□ 芝 2903戦356勝(勝率12.2%)
□ダート 1408戦143勝(勝率10.1%)
芝ダートともに勝率では大きな差はない。しかしダートの勝利の内訳を見ると、距離適性がわかりやすい。
□ダート1000~1400m 95勝(勝率10.9%)
□ダート1600~2400m 48勝(勝率8.7%)
□ダート1400m以下で勝利した3勝クラス・オープン以上のレース 9勝
□ダート1600m以上で勝利した3勝クラス・オープン以上のレース 2勝
ダート1600m以上の2勝はダノンスプレンダーのみ。それ以外の馬は、1600m以上の距離になると3勝クラスの壁を超えられないでいる。
そして1600m以上のダート重賞の成績は【0.0.0.4】で3着以内は無し。逆にダート1200~1400mは【1.2.0.7】で連対率30%という成績だ。上記の成績からわかるのは、ロードカナロア産駒がダート1600m以上で通用するのは基本的に2勝クラスまでといっていい。芝では1200~2400mの幅広い距離で活躍しているが、ダートはそれほどでもないのである。
以上のデータから、ロードカナロア産駒が東京ダート1600mの重賞を勝利するのは至難の業といえよう。