JRAフェブラリーS(G1)C.ルメールがカフェファラオに「ゾッコン」な理由。馬具の相談、綿密な打ち合わせの裏に、したたかな「野望」!?
リーディングジョッキーはレース以外でも、完璧な立ち回りをしているようだ。
21日、東京競馬場でフェブラリーS(G1)が開催される。
混戦模様となっているが、1番人気が予想されるのはカフェファラオ(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
昨年のチャンピオンズC(G1)で6着に敗れたカフェファラオ。だが、先着を許した5頭のうち4頭は不在。唯一出走するインティも前走の東海S(G2)を12着に大敗しており、全幅の信頼を置けない。そのため、カフェファラオが押し出される形で人気を集めることになるだろう。
今回、カフェファラオ陣営は様々な工夫を施してレースに挑むことになる。
収得賞金的にフェブラリーSの出走が確実でなかったカフェファラオは、いつでも前哨戦を使えるように在厩で調整を進めてきた。結果的に使うことはなかったが、乗り込み十分でレースに臨むこととなる。
その中で、チークピーシーズ、リングビット、クロス鼻革など様々な馬具を試してきた。チークピーシーズはC.ルメール騎手と相談した結果、着用することになったようだ。
先週の京都記念(G2)を制したラヴズオンリーユーは、3週連続で川田将雅騎手が追い切りに跨った。その中で、ハミをトライアビットに替えることを進言。これが復活の後押しとなった。
ただ、ルメール騎手はコロナ禍で調教のために美浦へ行くことができない。そのため、レース当日に堀調教師と相談して馬具を決めるようだ。
これだけルメール騎手がカフェファラオに入れ込んでいるのは、来年以降を見据えているという見方がある。
「昨年、ルメール騎手は207勝挙げていますが、そのうち27勝は藤沢和雄厩舎の管理馬でした。厩舎別では最も勝利を挙げており、この関係性が4年連続でリーディングジョッキーに輝いた原動力とも言えるでしょう。
しかし、藤沢和調教師は来年の2月で定年となります。ルメール騎手にとって、かなりの痛手のはず。そのため、来年以降を見据えて関東の名門・堀厩舎とのパイプを太くしたいという思惑があるのではないでしょうか」(競馬記者)
今年、ルメール騎手は堀厩舎の管理馬に9回騎乗して2勝を挙げている。前年の同時期が4回だったため、騎乗依頼が着実に増えている。
「これまで堀厩舎はM.デムーロ騎手を多く起用してきましたが、今年に入って一度もコンビを組んでいません。その分、ルメール騎手に騎乗依頼が回っているように感じますね。今後はさらにルメール騎手とのコンビが増えるはずですよ」(別の記者)
昨年の毎日王冠(G2)をサリオスで、シリウスS(G3)をカフェファラオで制するなど、ルメール騎手は堀厩舎の管理馬で重賞制覇をしているが、G1勝ちはいまのところない。
フェブラリーSをカフェファラオで制することができれば、「ルメール×堀」のホットラインはさらに強まることになりそうだ。