JRA「屈辱」乗り越えた三浦皇成VS横山典弘!? 「2500mは長い」痛恨のミスジャッジから3カ月……因縁の相手との再戦は天皇賞・春(G1)か
20日、東京競馬場で行われたダイヤモンドS(G3)は、7馬人気のグロンディオーズ(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)が重賞初制覇。故障によって約1年半休養するなど、遅咲きの素質馬が春の天皇賞(G1)へ、大きな一歩を踏み出した。
「嬉しいですね、はい」
鞍上の三浦皇成騎手にとっても会心の騎乗だった。グロンディオーズにとって13着に大敗した菊花賞(G1)以来となる3000超のレースだったが、「厩舎の方々が『距離は持つ』という自信を持って送り出してくれたので、僕も距離は『こなしてくれる』と信じて乗っていました」という信頼関係が導き出した勝利だった。
この結果にはネット上の競馬ファンもSNSや掲示板で「これは神騎乗では?」「三浦皇成が上手かった」「三浦はやればできる子」と三浦騎手の騎乗ぶりを称賛する声が続々……。三浦騎手自身も「直線に入るまで理想的な競馬だった」と自画自賛する内容だっただけに、今後に向けて大きな手応えとなったに違いない。
だが、その一方で三浦騎手にとって、相棒を”信じ切ることができなかった”悔しい敗戦がある。
オセアグレイトと挑んだ昨秋のアルゼンチン共和国杯(G2)。こちらも2500mの長丁場だったが11着に惨敗し、三浦騎手は「このクラスに入ると2000mくらいがこの馬の良さが出ると思います。2500mは少し長いかもしれません」とコメント。長距離には否定的な見解を示していた。
しかし、次走3600mのステイヤーズS(G2)で横山典弘騎手に乗り替わったオセアグレイトが勝利と、あろうことかステイヤーとして開花。「2500mは少し長い」と判断した三浦騎手にとっては立つ瀬の無い結果となってしまった。
「オセアグレイトが勝った昨年のステイヤーズSは、勝ち時計が3:52.0と過去10年で最も遅いタイムでした。それも不良馬場だった2011年を除けば、すべて3分40秒台の決着。これだけを見ても、如何に昨年のダイヤモンドSが超スローペースだったのかがわかります。3600mのレースでしたが、そこまでスタミナ勝負にならなかったのが、オセアグレイトにとって大きかったのかもしれません」(競馬記者)
そんなオセアグレイトだが、今年は4月の日経賞(G2)から始動し、大目標はやはり天皇賞・春になることが濃厚だ。
「重賞を獲ったからには、G1という目標も出てくる」
かつて“疑ってしまった”オセアグレイトが、自分以外の騎手で長丁場の重賞を勝つという悔しさを乗り越え、同じ長丁場の重賞で結果を残した三浦騎手。新たな相棒グロンディオーズも春の目標は当然、オセアグレイトと同じ天皇賞・春だろう。
果たして、因縁対決の行方は……三浦騎手にとって、自身のG1初制覇も掛かる天皇賞・春は燃えるものがあるはずだ。